古河歴史博物館

古河歴史博物館の概要

古河歴史博物館は、茨城県古河市にある、地域の歴史と文化を伝えることを目的とした博物館です。1990年11月3日に開館し、市の設立40周年を祝う形で誕生しました。この博物館では、古河藩に関する資料や、特に鷹見泉石や河口家に関連した医史学の資料が多く展示されています。建物は、古河城の出城跡である諏訪曲輪に位置しており、設計者は吉田桂二です。彼のデザインは高く評価され、1992年には日本建築学会賞を、1996年には公共建築賞を受賞しました。

主な展示内容

博物館の入り口には、オランダ製のストリートオルガンが設置されており、古河藩主である土井利位が江戸時代にオランダから学んだことを象徴しています。展示室1では、鷹見泉石が遺した洋学の資料が多数展示されており、オランダの古地図、世界地図、日本地図、古書、絵画、陶器やガラス製品など、多岐にわたる資料が紹介されています。ここでは鷹見泉石が作成した日光への距離早見表や、藩主が乱を鎮圧した際の記録も見ることができます。

展示室2では、古河公方や古河藩、明治時代の製糸業の発展など、古河に関する歴史が概説されています。このスペースには、精密に作られた古河城下町の模型も展示されており、当時の町並みを視覚的に体験できるようになっています。

展示室3では、幕末から明治にかけて活躍した古河にゆかりのある芸術家やその作品が紹介されています。南画家の奥原晴湖や、さまざまなスタイルの絵画を手がけた河鍋暁斎などが登場し、彼らの作品を通じて当時の文化を深く知ることができます。また、企画展示室では、様々な特別企画が随時行われています。

隣接地には、鷹見泉石の記念館があり、彼の最晩年に住んでいた居宅が改修され、一般公開されています。さらに、古河出身の画家奥原晴湖の画室「繍水草堂」も移築されて公開されています。

文化財と所蔵品

博物館には文化財として指定されている重要な所蔵品があります。特に鷹見泉石に関連した資料は展示室1で常時見ることができ、彼が集めた地理学や理化学に関する資料が含まれています。これらは幕末の政治や文化の流れを伝える貴重な資料群です。

また、河口家の医学に関する資料も充実しています。河口信任による日本初の人体解剖の記録とその成果が収められた書籍、解剖刀などが展示されており、江戸時代の医学の進展を物語っています。

他にも、古河公方や土井家に関する書状、盈科堂の記録や尼僧立像、楓樹など多岐にわたり古河の歴史を感じさせる文化財が病室内外で保存されています。

入館情報とアクセス

古河歴史博物館の開館時間は、4月から10月までは9:00から18:00、11月から3月までは9:00から17:00です。休館日は国民の祝日の翌日や年末年始、第4金曜日などで、入館料は大人400円、小中高生100円ですが、複数館の共通券も利用できます。アクセスはJR東北本線の古河駅から徒歩約15分、東武日光線の新古河駅から徒歩約25分です。

この博物館は、古河市の歴史と文化を学ぶ貴重な場所として、訪れる人々に多くの知識と感動を提供しています。

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