古町 (新潟市)

古町エリアの概要

新潟市中央区に位置する古町は、新潟島の中央部にあたる地域であり、往時の新潟町の面影を色濃く残しています。狭義の古町通とその周辺を含めた、このエリアは1655年にその骨格が整備され、以来、商業や文化、金融の拠点として発展を遂げてきました。現在でも、本町や西堀通などが交差し、地域の中心地として賑わっています。

様々な側面を持つ古町

古町は「にいがた2km」と称される新潟市の主要交通軸に位置しており、業務、物販、飲食など、多様な機能が交錯しています。白山神社から日和山にかけて続く歴史的な街並みの魅力に加えて、近年ではシモ側に繁華街、カミ側には若者向けの文化ゾーンが形成されるなど、その色合いに変化が見られます。特に柾谷小路周辺は金融街としての機能を持ち、高層ビルが立ち並ぶ景観を形成しています。

しかし、近年では2016年にラフォーレ原宿・新潟や2020年に新潟三越が閉店するなど、大型商業施設の少ない古町においては、商業的な衰退が問題視されています。これにより、古町を訪れる人々の数も減少し、地域全体の活気が失われることが懸念されています。

商業環境と文化

古町の商業環境は、隣接する万代シテイが大型店舗やチェーン店で賑わうのに対し、古町は小規模な個人店が多数を占める独特の魅力を持っています。街を歩くと、特有のファッションストリートや飲食街が広がり、上古町では趣味性の高い店舗が集まることでも知られています。これらの店舗は、地域の文化を反映し、訪れる人々に新たな体験を提供しています。

2008年に策定された中心市街地活性化基本計画では、古町エリアの大部分が「古町地区」として位置づけられ、地域の再生に向けた方針が示されています。また、2018年に発表された都市デザイン計画では「旧市街・開化ゾーン」としても評価されています。

歴史的背景

古町の歴史は1655年に始まり、新潟港の発展とともに繁栄を遂げてきました。近代化の波の中で、百貨店や映画館が続々とオープンし、地域全体が賑わいを見せました。しかし、1980年代に入ると商業機能が万代方面へ移行する傾向が強まり、古町の繁栄も徐々に衰退していきました。特に、近年では社会のニーズに応じた変革が必要とされています。

現代の革新と課題

2000年代に入ると、古町ではリノベーションの動きが見られるようになりました。特に上古町商店街では空き店舗の数を減少させ、活気を取り戻す試みが進行しています。さらに、行政機能の中心が移転する中で、2020年には新潟三越の閉店に伴い、古町エリアの再開発が推進されています。

新潟市は2020年12月に「にいがた2km」構想を発表し、駅周辺から古町エリアの再活性化に取り組んでいます。また、2029年には新潟三越跡地に150mの複合ビルの竣工が予定されており、未来への期待が高まっています。

まとめ

古町は新潟市の文化と歴史を象徴する場所であり、商業としてのアイデンティティを再構築しつつあります。地域の特色を活かした取り組みが進む一方で、未来の在り方についての議論や活動が求められています。古町の歴史と人々の想いを受け継ぎながら、新たな色合いを加えていくことが今後の課題です。

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