古町通

古町通

古町通（ふるまちどおり）は、新潟市中央区の中心部に位置する歴史ある地名であり、また南北に伸びる主要な通りの名称です。現在の行政地名としては、古町通1番町から13番町までが指定されており、郵便番号は951-8063となっています。

この通りの歴史は古く、江戸時代に遡ります。かつては「本町通」と呼ばれていましたが、1617年（元和3年）に新たに「新町」が開発され発展したことに伴い、既存の通りが「古町」と呼ばれるようになったと伝えられています。時代とともに新潟の中心地として発展し、1872年（明治5年）には町名改正が行われました。明治期に入ると、1879年（明治12年）に新潟区、1889年（明治22年）には市制施行により新潟市の町丁となり、そして2007年（平成19年）の政令指定都市移行により、中央区の一部となりました。

古町通は、一帯の鎮守である白山神社へと続く1番町を起点とし、南側の13番町まで全長約1.5キロメートルにわたって伸びています。その道のりは、地域によって異なる顔を見せます。起点付近は歴史を感じさせる老舗が集まるエリアから始まり、中ほどは新潟を代表する商業・歓楽街として賑わい、南側は落ち着いた住宅街へと変化していきます。通りの中心的な繁華街は、特に5番町から9番町の範囲に集中しています。

地域ごとの特徴を見ると、まず白山神社に近い1番町から4番町の区間は、比較的落ち着いた雰囲気です。このエリアには、新潟大火の被害を免れた昭和初期の建築が多く残り、古くから続く商店が軒を連ねています。近年では、若い世代が経営する新しい感覚の店も増え、伝統と新しさが混在する多様なエリアとなっています。この区間には、古町愛宕神社や大山祇神社といった神社や、専門学校、企業などが立地しています。

• - 主な施設（1番町〜4番町）：

- 古町愛宕神社
- 大山祇神社
- 国際こども・福祉カレッジ
- 考古堂書店
- ヒッコリースリートラベラーズ
- 和僑商店
- 古町糀製造所

5番町から7番町にかけては、大規模なアーケード街が形成されており、「ふるまちモール」と呼ばれ、それぞれ「ふるまちモール5」「ふるまちモール6」「ふるまちモール7」として親しまれています。ふるまちモール5には、新潟市出身の漫画家、水島新司氏の作品に登場するキャラクターたちのブロンズ像が設置された「水島新司マンガストリート」があり、多くのファンが訪れます。ふるまちモール6には、街頭大型ビジョン「6ビジョン」が設置され、情報発信の拠点となっています。これらのモール沿いには、大型商業施設や専門学校などが集積しています。

• - 主な施設（5番町〜7番町）：

- 日本アニメ・マンガ専門学校
- 山下家具店
- 新潟市マンガの家
- 古町演芸場
- NSG-square
- 国際外語・観光・エアライン専門学校
- 国際映像メディア専門学校
- 国際音楽・ダンス・エンタテイメント専門学校
- 古町ルフル
- 水島新司マンガストリート
- 6ビジョン

7番町から9番町にかけては、新潟を代表する歓楽街として知られています。このエリアには、長い歴史を持つ老舗の料亭や、伝統文化を受け継ぐ芸妓が所属する置屋などが今も営業しており、古き良き時代の風情を残しています。特に8番町・9番町周辺は夜の賑わいの中心となります。10番町より南側、13番町にかけては、次第に商業的な賑わいが落ち着き、古くからの住宅街としての性格が強くなります。

古町通とその周辺では、年間を通じて様々なイベントが開催され、多くの人々で賑わいます。代表的なものに、春と秋の年2回（主に5月と10月）に開催される「古町どんどん」があります。これは5番町から9番町のアーケード街を会場に行われる大規模なイベントで、多くの露店や催し物が楽しめます。また、冬には「にいがた冬食の陣 当日座」の古町会場となり、新潟の食文化を発信する場となります。さらに、例年8月下旬には、江戸時代の新潟を舞台にした騒動の指導者たちを顕彰・慰霊する「明和義人祭」が、1番町から6番町を会場に行われます。

古町通は南北に長い通りですが、東西に交差する多くの「小路」が、それぞれのエリアを結びつけ、独特の街並みを形成しています。白山神社側から順に、一番堀通り、新川小路、鍛冶小路、新津屋小路、小原小路、柾谷小路、新堀通り、坂内小路、広小路、五菜堀などが古町通と交差しており、これらの小路を巡るのも古町の散策の楽しみ方の一つです。特に柾谷小路は新潟市の中心部を東西に貫く大通りであり、古町通の重要な交差点となっています。

古町通は、江戸時代からの歴史を受け継ぎながら、時代に合わせて姿を変えてきた新潟の中心地です。古き良き伝統と新しい文化が共存し、訪れる人々に多様な魅力を提供し続けています。

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