古賀義根

古賀義根（こが よしね）は、1925年1月1日に佐賀県唐津市で生まれ、2014年9月23日に89歳で亡くなった日本の技術者であり、実業家です。彼は、日本の高度経済成長期からグローバル化の時代にかけて、産業界、特にセラミックス業界において重要な役割を果たしました。

古賀氏は、1947年に東京工業大学窯業学科を卒業後、東陶機器（現在のTOTO）に入社しました。入社後は、長年にわたり衛生陶器の開発に携わり、その技術力を活かして同社の発展に貢献しました。また、インドネシア進出担当役員として、海外展開の基盤を築き、1987年には社長に就任しました。社長在任中には、アメリカ合衆国に子会社を設立するなど、グローバル戦略を積極的に推進しました。

1988年には、その功績が認められ藍綬褒章を受章。1992年に社長を退任した後も、古賀氏の活躍は止まることなく、同年から10年間、北九州商工会議所の会頭を務め、当時の末吉興一市長と共に、北九州都市圏の再興に尽力しました。地域経済の活性化に貢献したことは、高く評価されています。

さらに、1994年には日本セラミックス協会の会長に就任し、業界の発展にも寄与しました。九州・山口経済連合会（現在の九州経済連合会）の副会長も務めるなど、幅広い分野でその手腕を発揮しました。1995年には、長年の功績を讃えられ、勲二等瑞宝章を受章しました。

古賀氏は、その謙虚な人柄で多くの人々に慕われました。TOTO特別顧問在任中に老衰のため亡くなるまで、常に業界と地域社会の発展を願っていました。彼の葬儀では、喜多村円TOTO社長が葬儀委員長を務め、TOTOと北九州商工会議所の合同で盛大な「お別れの会」が開催され、末吉前市長をはじめとする700人以上が参列し、その死を悼みました。

古賀義根は、技術者、経営者、そして地域社会のリーダーとして、その生涯を通じて、日本の産業と経済の発展に大きく貢献しました。その足跡は、後世に語り継がれるべきものです。

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