古隅田川

古隅田川について

古隅田川（ふるすみだがわ）は、埼玉県さいたま市と春日部市を流れる河川、および東京都足立区と葛飾区を流れる河川の名称です。かつては利根川水系の主要な流れの一部でしたが、その流路は歴史的な変遷を経て現在の形になりました。

古隅田川（埼玉県）

埼玉県さいたま市と春日部市を流れる古隅田川は、流路延長4.8km、流域面積14.0km²の一級河川です。利根川水系の大落古利根川の支流であり、さいたま市岩槻区南平野地区を管理起点としています。そこから北東方向に流れ、旧古隅田川などの支流と合流し、春日部市梅田地区で大落古利根川に合流します。流域は住宅地が大部分ですが、一部に農地も存在します。

主な支流:

山城堀 - 古隅田川の源流
上豊川（旧古隅田川）
上院落
豊春用水
黒沼水田からの排水路
内牧用水
梅田落

主な河川施設:

上院調節池

主な橋梁:

山城第二橋梁（東武野田線）
花積橋
豊春橋（市道1-18号線）
友愛橋
ふれあい橋（人道橋）
城殿宮橋
A21号橋（かえで通り）
栄橋
古隅田橋（国道16号）
浜川戸橋
梅田橋（埼玉県道85号春日部久喜線）
古隅田川橋梁（東武伊勢崎線）
十文橋（埼玉県道85号春日部久喜線）
道順川戸橋
業平橋（埼玉県道2号さいたま春日部線）
川面橋
矢島橋

周辺施設:

東岩槻駅
花積貝塚
豊春駅
有限会社らくだ社（クレヨンしんちゃん）
古隅田川公園
春日部市立豊春中学校
春日部市立宮川小学校
黒沼・水と緑のふれあいロード・内牧サイクリング道路
内牧塚内古墳群
埼玉県立春日部高等学校
春日部八幡神社・春日部稲荷神社
浜川戸砂丘
北春日部駅
春日部市立春日部中学校
最勝院
春日部駅

古隅田川（東京都）

東京都足立区と葛飾区の境界を流れる古隅田川は、流路延長5.45kmの河川です。葛飾区亀有3丁目で中川から分かれ、葛飾区小菅3丁目で綾瀬川に合流します。現在では下流の一部を除き、ほとんどが暗渠となっています。しかし、東京拘置所付近には、綾瀬川の開削によって分断された旧流路跡（裏門堰親水水路）が1.1kmにわたって残っています。

主な支流:

葛西用水路（東京葛西用水路）

主な河川施設:

大六天排水場

主な橋梁:

河道の暗渠化に伴い、欄干が撤去され親柱のみとなった橋も多数存在します。

境四橋
南新橋
境三橋
旭橋
境一橋
元隅田橋
白鷺橋
綾南橋
境田橋
富士見橋
袋橋
北野橋
千鳥橋
古川橋（レンゴー葛飾工場前）
陸前橋（綾瀬コミュニティー道路）
鵜乃森橋

周辺施設:

古隅田川親水水路
東京法務局城北出張所
綾瀬駅
古隅田川緑道
裏門堰親水公園（古隅田川跡）

古隅田川と利根川の関係

かつて、隅田川は利根川の下流に位置し、武蔵国と下総国の境界線を成していたと考えられています。現在の埼玉県と東京都にある2つの古隅田川は、かつて利根川-隅田川の一部であり、古利根川から古隅田川（埼玉側）、元荒川、中川、古隅田川（東京側）、隅田川という流れが利根川および荒川の本流だったと考えられています。

中世以前、埼玉県の古隅田川は元荒川の近くを源流とし、古利根川に向かって流れていましたが、当時は逆向きに、古利根川から元荒川に向かって大河川が流れていました。これは、現在の古隅田川流域の東側地域が「下総国」に属していることからも分かります。

その後、関東造盆地運動の影響で古隅田川一帯が隆起し、利根川の本流は古利根川から中川へ直接流れるようになり、江戸時代の利根川東遷事業などによって、利根川、中川、荒川（隅田川）が切り離され、水位が低下しました。これにより、埼玉の古隅田川の流れも逆向きになったと考えられています。

関連項目

隅田川
新堀排水路 (埼玉県) - 古隅田川上流部の山城堀の排水不良を改善するために掘られた排水路。
逆川 (越谷市) - 非灌漑期には古隅田川のように古利根川に向かって逆流していた。

外部リンク

古隅田川 - 埼玉県ホームページ
古隅田川 - ウェイバックマシン
還らざる大河古隅田川 時代と河川 - ウェイバックマシン

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