元荒川

元荒川（もとあらかわ）

元荒川は、埼玉県内を流れる利根川水系中川の支流で、一級河川に指定されています。かつては荒川の本流であり、古荒川とも呼ばれていました。現在の流路は、埼玉県熊谷市にあるムサシトミヨ保護センター付近を源流とし、南東方向に流れ、越谷市で中川に合流します。

地理

元荒川は、熊谷市から越谷市まで、行田市、鴻巣市、久喜市、桶川市、蓮田市、白岡市、さいたま市岩槻区など、多くの市や区を通過します。流路の途中では、武蔵水路や見沼代用水と立体交差する箇所があります。白岡市西付近で星川が合流すると川幅が広がり、越谷市中島で中川に合流します。

元荒川の源流は、かつては荒川扇状地の湧水でしたが、高度経済成長期に枯渇しました。そのため、現在はポンプで汲み上げられた地下水を人工的に水源としています。毎日約7000トンの地下水が利用されています。

歴史

元荒川は、1629年に伊奈忠治によって荒川が締め切られるまで、荒川の本流でした。この締め切りにより、元荒川は荒川の本流から切り離されました。同時期に、蛇行していた流路も整備されました。

自然

元荒川は、ムサシトミヨが生息する世界で唯一の河川として知られています。源流部400メートルは、1991年に埼玉県指定天然記念物に選定され、2008年には環境省の「平成の名水百選」にも選ばれました。また、流域にはキタミソウも生育しており、貴重な自然環境が保たれています。

農業用水路として

元荒川は、農業用水としても利用されており、上流から順に榎戸堰、三ツ木堰、安養寺堰、末田須賀堰の4つの取水堰が設けられています。かつては、さらに2つの取水堰がありましたが、現在は統合・廃止されています。越谷市には、瓦曽根溜井と瓦曽根堰がありましたが、治水事業により元荒川から分離されました。

桜

元荒川の沿岸には、ソメイヨシノの桜並木が数多く存在し、桜の名所として知られています。特に、北越谷元荒川堤の桜並木は有名です。桜の時期には、各地で桜まつりが開催され、夜には提灯が灯されて夜桜を楽しむことができます。

主な桜の名所:

鴻巣市鎌塚地区：約2.6kmにわたる500本の桜並木
白岡市西地区：八幡橋付近約2kmの桜並木
蓮田市椿山地区：河川敷公園を中心に両岸数kmにわたる450本の桜並木
さいたま市岩槻区太田地区：岩槻城址公園とその周辺に約600本の桜
越谷市北越谷地区：約2kmにわたる400本の桜並木

支流

元荒川には、以下の支流があります。

鎌塚落
前谷落
忍川
赤堀川
栢間赤堀
野通川
星川
逆川

橋梁

元荒川には、数多くの橋が架かっています。上流から主な橋梁を記載します。

熊久橋（旧中山道）
帰帆橋
ムサシトミヨ橋
提灯塚橋
今井橋
伊勢前橋
新宿橋
元荒川橋梁（高崎線）
洲崎橋
榛名橋
吹上橋
新佐賀橋
佐賀橋
桜橋
高砂橋
遠所橋
筑波橋
砂山橋
小谷橋
元荒川橋（埼玉県道307号福田鴻巣線）
アサヒ橋
三ツ木堰橋
笹原橋
三ツ木橋（国道17号）
川面橋
元荒川橋（埼玉県道・群馬県道306号上中森鴻巣線）
緑道さかい橋
元荒川橋（国道17号熊谷バイパス）
渋井橋
三谷橋
第5元荒川橋りょう（上越新幹線）
郷地橋
下郷地橋
第4元荒川橋りょう（上越新幹線）
第3元荒川橋りょう（上越新幹線）
笠原大橋
中斉橋
四郎兵衛橋
早利橋
第2元荒川道路橋（上越新幹線側道）
第2元荒川橋りょう（上越新幹線）
第1元荒川橋りょう（上越新幹線）
御陣屋橋
大御堂橋
高虫橋
常福寺橋
新根金橋（国道122号）
根金橋
八幡橋
東北新幹線
今宮橋
新今宮橋
新荒川橋
元荒川橋梁（東北本線）
荒川橋
宮前橋
東北自動車道
川島橋
元荒川水管橋
城北大橋
慈恩寺橋
東宮歩道橋
元荒川橋梁（東武野田線）
岩槻橋
新曲輪橋
岩槻大橋（国道16号）
大野島水管橋
永代橋
三野宮橋
大砂橋
〆切橋
元荒川橋（国道4号草加バイパス）
出津橋
神明橋
旧元荒川橋梁
元荒川橋梁（東武伊勢崎線）
大沢橋
元荒川橋（東京都道・埼玉県道49号足立越谷線）
宮前橋
新宮前橋
新平和橋
しらこばと橋
あいさつ橋
不動橋
大成橋（国道4号東埼玉道路）
中島橋

河川施設

元荒川には、以下の河川施設があります。

吹上排水機場
榎戸堰
三ツ木堰
川面水門
宮地堰
圦ノ上堰
末田須賀堰
大相模調節池

関連項目

利根川東遷事業
利根川、古利根川
隅田川、古隅田川
綾瀬川
伊奈忠次
さわやか自然百景
久伊豆神社
文教大学

外部リンク

元荒川 - 埼玉県ホームページ
元荒川 - ウェイバックマシン - 有限会社フカダソフト（きまぐれ旅写真館）
元荒川ムサシトミヨ生息地（県指定天然記念物） - 熊谷市ホームページ

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