召集令状

召集令状について

召集令状（しょうしゅうれいじょう）は、軍隊が現役の市民を兵士として徴用するために出される公式な文書です。本稿では主に大日本帝国陸海軍の召集令状について詳しく説明します。

召集の種類

召集には、陸軍と海軍双方に共通する種類もあれば、それぞれの軍に特有のものも存在します。陸軍と海軍で共通しているものには、以下のような種類があります。

• - 充員召集
• - 教育召集
• - 補欠召集
• - 演習召集
• - 防衛召集（陸軍では1941年に充員召集と臨時召集に統合、海軍では警戒召集や特別召集がある）

さらに陸軍には臨時召集、国民兵召集、海軍には勤務召集や徴傭船舶船長召集があります。

召集令状の特徴

召集令状は、サイズが縦15.5 cm、横25.7 cmで、通常黒インクで印刷され、半紙と同程度の薄さの紙が使われます。陸軍省の発行するものは、その色から「赤紙」とも呼ばれました。この赤色は初めは濃かったものの、戦時の資源不足により色が次第に薄くなり、最終的に多く見られたのはピンク色の用紙でした。海軍省のものも同様の色調が使用されているため、しばしば混同されることがあります。

召集令状の色と種類

召集令状は色によって発行される召集の種類を示しています。次のとおりの色があります。

• - 赤紙：陸軍省による充員召集、臨時召集など。
• - 白紙：教育召集や演習召集。
• - 青紙：防衛召集。
• - 紅紙：海軍省による充員召集。

特に「国民兵召集」は1941年に廃止され、それ以降は充員召集と臨時召集に集約されました。現存する赤紙の多くは臨時召集に関連するものであり、召集令状がどのように発行され、交付されたかも重要です。

令状の発行プロセス

陸軍省によって発行される召集令状は、動員計画に基づき連隊区司令部で指定された者に対して発行されます。発行された令状は警察署に保管され、動員令が発令された際に警察官が役所に持参し、本人かその家族に直接渡します。令状には應召者の詳細が記載され、受領証が必要となります。

召集令状の交付とその後

召集令状を受け取った者は、指定された部隊に赴き入隊検査を受けます。不合格な場合には即日帰郷させられることがありますが、再度の召集が待ち受けている可能性もありました。

自衛隊における招集命令書

現在の自衛隊では「召集」ではなく「招集」という表現が使われ、その命令を伝える文書が「招集命令書」と呼ばれています。これは国民を無差別に徴集することが禁止されているため、志願制に基づいて人員が集められています。それぞれの事態ごとに異なる色の招集命令書があります。

海外の事例

ロシアでは、2024年から電子メールで召集令状を通知することが発表されました。国によって徴集のプロセスには大きな違いがありますが、基本的な理念は同様で、国家防衛における重要な側面を担っています。

結論

召集令状は、歴史的に見ても国家の政治・軍事的な決定が市民の生活にどのように影響したかを示す重要な文書です。これらの情報は、過去の国防政策や徴兵制度を理解するうえで極めて重要です。

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