可児徳

可児徳の生涯と業績

可児徳（かに いさお、1874年 - 1966年）は、日本の体育界における重要な人物の一人であり、教育者として多くの業績を残しました。特に、東京高等師範学校（現在の筑波大学）の教員として、スポーツ教育の普及に尽力したことで知られています。可児は、坪井玄道と共にドッジボールを日本に初めて紹介した人物としても有名です。

幼少期・教育背景

岐阜県恵那郡で生まれた可児は、父が苗木藩士であったことから、幼少期より教育を重んじられました。1893年に岐阜県斐太尋常中学校を卒業後、教員として働きながら体育指導者への道を志し、1896年に東京へ上京しました。日本体育会体操練習所に入学し、体操の基礎を学び、1897年には教員免許を取得し、群馬県と沖縄県で教鞭を執ります。その後、東京高等師範学校において助教授となり、体育教育の拡充に取り組みました。

体育教育における貢献

可児は、身体教育において競技と遊戯を重視し、従来の普通体操や兵式体操への批判を通じて、新しい体育教育のあり方を推進しました。特にスウェーデン体操とは異なるアプローチを取る中で、楽しく行える競技スポーツの重要性を説きました。

可児は、1901年に日本遊戯調査会の設立にかかわり、体育教育の在り方について活発に議論を交わしました。特に重要だったのは、1904年に文部省によって設置された体操や遊戯に関する調査委員会においても、可児は委員の一人として重要な役割を果たしました。

ドッジボールの普及

ドッジボールの紹介は、可児にとって特に重要な業績の一つです。1909年に彼と坪井が「小學校運動遊戯」を通じて本格的に日本にこの競技を紹介しました。この業績は、日本の体育界においてドッジボールが広がるきっかけとなり、今なお多くの子供たちに親しまれる遊びとなっています。

海外留学とその後

可児は1915年に留学が許可され、アメリカのシカゴ大学およびYMCAカレッジで競技スポーツを学びました。留学中、ボストンでバレーボールと出会い、この競技の指導にも力を入れました。帰国後は、新しいスポーツの普及に努め、特に女子体育の振興に特化した取り組みも行いました。

晩年とその影響

1923年には私立国華高等女学校の校長に就任し、1940年まで教員として活躍。戦後は日本体育界での貢献が認められ、藍綬褒章を受勲しました。1964年には東京オリンピックの開会式に出席し、若き日の夢が実現したことを語ったと言います。

可児徳の理念は、体育を通じての健康促進や精神的な成長を促すものであり、彼の教育理念は今でも日本の体育教育において引き継がれています。彼が築いた基盤の上に、日本の多くの体育教育者が活動し、スポーツを通じた社会的な発展を推進しています。

まとめ

可児徳は体育教育の歴史において、その理念と行動で多くの影響を与えた人物です。今後も彼の業績が評価され続けることを期待します。

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