坪井玄道

坪井 玄道（つぼい げんどう）

坪井玄道は、1852年1月29日（嘉永5年1月9日）に生まれ、1922年（大正11年）11月2日に亡くなった明治時代の体育学者です。彼は日本で最初の体操教師として知られ、様々な体育活動の発展に寄与しました。

生い立ちと初期の経歴

坪井は下総国葛飾郡鬼越（現在の千葉県市川市）で、農家の次男として生まれ、幼名は仁助でした。1866年に江戸幕府の開成所に入学し、英語を学びました。明治4年には大学南校を卒業し、その後東京師範学校で教員職に就くことになります。

体育教育への転機

1878年、アメリカから招聘された体育担当教師ジョージ・アダムス・リーランドの通訳を務める中で、坪井は体操の重要性に気づきました。これを契機に、体育学を学び始め、同年に設立された体操伝習所の教師となります。1886年には高等師範学校の助教授に昇進しました。

資料出版と体育論

坪井は体育教育に対する情熱から、数多くの著書を出版しました。特に1885年に発表した『戸外遊戯法』では21種類の遊戯を紹介し、児童向けの遊戯指導の重要性を説きました。その後、1887年には『普通体操法』を発表し、合理主義的な軽体操と自然主義的な遊戯を組み合わせた体育論を提唱しました。彼は学校の必修科目に体操を加える必要性についても論じました。

教育機関での貢献

坪井は明治23年（1890年）から、さまざまな教育機関で教授として活躍しました。東京高師及び東京女子師範学校において体育の教鞭を執り、明治29年には東京高師のフートボール部の部長にも就任しました。彼の指導のもと、サッカーの普及が進みました。

留学と新たな提案

1900年、坪井は黒田清輝や瀧廉太郎と共にイギリスに留学し、1903年には『アッソシエーション・フットボール』の序文を執筆しました。また、同年には可児徳と共にドッジボールを「円形デッドボール」として日本に初めて紹介しました。

晩年と評価

坪井は1922年4月、東京女子体操音楽学校の名誉校長に就任しますが、同年11月に79歳で亡くなります。彼の死後も多くの業績が評価され、2006年には日本サッカー殿堂に特別掲額者として名を刻まれました。現在、千葉県市川市立歴史博物館には坪井に関連する資料が展示されています。

栄典

坪井は、明治36年12月26日に勲五等瑞宝章を、明治42年5月5日に勲四等旭日小綬章を受章しました。これらの栄典は、彼の体育学における功績を象徴しています。

関連項目

• - 日本のサッカー
• - ドッジボール
• - 井口阿くり
• - 可児徳

坪井玄道は、彼の生涯を通じて日本の体育教育とスポーツの発展に貢献した人物として記憶されています。

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