台湾のスポーツ

台湾のスポーツ事情

台湾におけるスポーツは、国民生活に深く根ざしており、国際舞台でも活躍する選手を多く輩出しています。本稿では、台湾で盛んなスポーツの概要と歴史、そして代表的な選手について解説します。

団体競技

野球

台湾で最も人気のあるスポーツの1つであり、国民的スポーツともいえます。日本の統治時代に導入され、1906年には最初の野球チームが結成されました。当初は日本人が中心でしたが、台湾人選手も次第に増加し、1923年には全国中等学校優勝野球台湾大会が開催されるなど、発展を遂げました。1931年には嘉義農林（現・嘉義大学）の活躍が話題となり、映画『KANO 1931海の向こうの甲子園』として制作されるほど、国民的な記憶として刻まれています。戦後も人気は衰えず、リトルリーグ野球では数々の世界選手権優勝を達成しています。プロ野球リーグであるCPBLは1989年に発足し、王建民、陳偉殷など多くの選手がメジャーリーグに進出するなど、国際的な舞台でも活躍しています。しかし、オリンピックでのメダル獲得は、バルセロナ五輪の銀メダルが最後となっています。

バスケットボール

台湾で高い人気を誇る球技です。男子にはP.リーグ+、T1リーグ、SBL、女子にはWSBLといったリーグが存在し、活況を呈しています。アジア選手権では、男子は銀メダル2回、銅メダル2回、女子は銀メダル1回、銅メダル8回を獲得するなど、国際舞台でも一定の成果を残しています。

サッカー

1916年に台湾に紹介されたサッカーは、野球やバスケットボールほどは普及していませんが、着実に発展を遂げています。台南の長栄中学校が最初のチームとされ、日本の統治時代には全国中等学校蹴球選手権大会にも出場しています。近年は、蔡立靖選手のように欧州リーグに挑戦する選手も現れ、更なる発展が期待されています。

ラクロス、ラグビーユニオン、バレーボール

U-19世界ラクロス選手権に代表チームを派遣するなど、ラクロスも盛んです。ラグビーユニオンは、日本の統治時代に導入され、7人制ラグビー男子代表は特に成功しています。バレーボールでは、女子代表チームが2006年の世界選手権で12位入賞、アジア競技大会で銅メダルを獲得するなどの活躍を見せています。企業排球聯賽などのリーグも開催されています。

個人競技

バドミントン

戴資穎選手、周天成選手など世界的に活躍する選手を輩出し、近年人気が高まっています。用具が比較的安価で、手軽に楽しめる点が人気の理由です。

サイクリング

1978年からツールド台湾が開催され、UCIアジアツアーにも参加しています。台湾一周サイクリングも人気です。

ゴルフ

日本の統治時代に導入され、陳清波選手、涂阿玉選手などが活躍しました。近年ではヤニ・ツェン（曾雅妮）選手がLPGAで活躍し、数々のメジャータイトルを獲得しています。LPGAツアーのフーボンLPGA台湾選手権も開催されています。

マラソン

新北台北市万金石マラソン、台北マラソンなど、世界陸上競技レーベルロードレースも開催され、多くのランナーが参加しています。

卓球

台湾は卓球において、長年にわたり国際的な強豪として名を馳せてきました。陳宝貝、李國定、荘智淵、林昀儒など、数々の優秀な選手を輩出しています。

テコンドー

2004年アテネオリンピックでは、陳詩欣選手と朱木炎選手が金メダルを獲得しました。アジア競技大会などでも活躍しています。

テニス

21世紀に入ってから、盧彦勳選手、謝淑薇選手、詹詠然選手、詹皓晴選手などの活躍が目立ちます。特に謝淑薇選手はWTAランキングでトップ25入りを果たし、数々のグランドスラムタイトルを獲得しています。

国際大会

政治的理由により、台湾の組織や代表チームは、オリンピックなどの国際的なスポーツイベントには「チャイニーズタイペイ」として出場しています。この点は、台湾のスポーツ界における大きな課題であり続けています。

もう一度検索