台湾では、多様な
電子マネーが利用されており、日常生活に欠かせない存在となっています。本稿では、
台湾で発行・流通している主な
電子マネーの種類、利用範囲、特徴について詳しく解説します。
悠遊卡(ヨウヨウカー、EasyCard)
- - 悠遊卡公司が発行する交通系ICカード。
- - 台北捷運(MRT)を中心に、台湾全土で広く普及している最大手。
- - イメージキャラクターはハムスターの「Bebe」。
- - かつては基隆悠遊卡も存在。
一卡通(イーカートン、iPASS)
- - 一卡通公司が発行する交通系ICカード。
- - 高雄捷運(MRT)を中心に南部で普及していたが、台北捷運や台湾鉄道(TRA)全線での利用が可能になり、北部でも利用者が増加。
- - 2016年8月には発行枚数が1000万枚を突破。
- - イメージキャラクターは「魔法少女iPASS」。
- - かつては金門交通卡も存在。
愛金卡(アイジンカー、icash)
- - 統一超商(セブンイレブン)傘下の愛金卡公司が発行する流通系IC電子マネー。
- - イメージキャラクターは「OPENちゃん」。
- - 遠東集団の遠鑫電子票証公司が発行する流通系IC電子マネー。
- - イメージキャラクターは犬の「有銭」(台湾語の諺に由来)。
種類
無記名デポジット式の有無
- - 悠遊卡:かつては無記名デポジット式があったが、2016年8月に新規発行停止。今後は記名式と買い切り制の無記名式のみとなる。払い戻し期限はなし。
- - その他:買い切り制で、デポジットはない。
普通版
各発行母体が、営業所や小売店、
鉄道駅、バスターミナルで販売している。
- - 普通卡:無記名式と記名式があり、MRTやバスでIC割引が適用。外国人旅行者も入手可能。
- - 学生卡:一卡通の場合、高雄MRTでは学割運賃が適用。利用時は学生証の携帯が必要。
- - 優待卡:小児、高齢者、障害者用。IC割引の半額割引がある。利用時は身分証の携帯が必要。
旅行版
- - 台北MRTの1日券・24-72時間券、バスとセットになった「TAIPEI PASS」の1~5日券が該当。
- - 高雄MRTでは、駅窓口で普通版一卡通に1・2日券機能を付与できる。
手機(モバイル)版
銀行版
- - 金融機関が発行する記名式カード。オートチャージ機能やポイント付与キャンペーンがある。
- 聯名卡:
クレジットカードと紐付け。
- Debit卡:
デビットカード機能付き
キャッシュカードと紐付け。
市民版
- - 地方政府が市民向けに発行する記名式カード。特典は各県市によって異なる。
- 普通卡:図書館の貸し出しや、市内観光施設・交通機関の割引など。
- 学生卡・教職員卡:学生証・教職員証としての機能も持つ。
社会福祉卡
- - 敬老卡:高齢者向け。管内交通機関の無料または割引特典。
- - 愛心卡:障害者向け。管内交通機関の無料または割引特典。
- - 仁愛卡:低所得者、若年労働者向け(現在は高雄市のみ)。
通勤版
- - 住民・長期滞在者向けに、特定の事業者が発行する、通勤通学割引や定期券機能付きのカード。
- - 無記名可能な通勤卡と、記名式のみの通勤学生卡がある。
その他
- - 特製版:特定の人物、企業、キャラクターをデザインした限定版。波多野結衣や高捷少女が人気。
- - 造形版:キーホルダーやストラップ型など、カード型以外のもの。スウォッチやガーミン社の製品と一体になったものも登場。
- - その他:公務員証、入館証、ホテルのルームキーとしても利用。
発行統計
金融機関発行の聯名卡などを除くため、合計シェアは100%にはならない。
利用範囲
交通機関
- - 鉄道:台湾鉄路管理局(TRA)、台北MRT、高雄MRTなど。
- - 船舶:フェリーなど。
- - 自転車:レンタサイクル。
- - バス:市バス、長距離バスなど。
コンビニ・ポイントサービス
- - 各コンビニエンスストアでの支払い。
- - ポイントサービスも利用可能。
その他
- - タクシー:一部のタクシーで利用可能。
- - ガソリンスタンド:一部のガソリンスタンドで利用可能。
- - 観光施設:一部の観光施設で利用可能。
- - 行政機関:自治体や政府機関での支払いにも対応。
- - 医療機関:医療費の支払いが可能。
脚注
- - 各電子マネーの公式サイトへのリンクは文末を参照。
関連項目
- - zh:Category:悠遊卡
- - zh:悠遊卡數位證件
- - zh:悠遊聯名卡
- - zh:一卡通聯名卡
- - zh:臺灣儲值卡列表
外部リンク