台湾総督府財務局

台湾総督府財務局

台湾総督府財務局は、日本統治下の台湾において、租税、予算決算などを担当した重要な行政機関です。台湾総督府の内部部局として、台湾の財政運営の中枢を担いました。

概要

財務局の歴史は、1895年（明治28年）5月に台湾総督府が設置された際に、民政局に財務部が置かれたことに始まります。これが財務局の前身となりました。その後、1897年（明治30年）11月には、民政局から財務部が独立し、財務局として正式に発足します。しかし、1898年（明治31年）6月には一度廃止されました。

1901年（明治34年）11月、民政部に再び財務局が設置され、以降、1945年（昭和20年）10月に台湾総督府が廃止されるまで、その役割を果たし続けました。

沿革

1895年（明治28年）
5月：台湾総督府民政局に財務部を設置。租税課、関税課を置く。
8月：主税課を租税課に名称変更。
1896年（明治29年）：部内に租税課、関税課、経理課、監督課、調査課を置く。
1897年（明治30年）11月：民政局から財務部が独立し財務局を設置。税務課、主計課、経理課、土木課を置く。
1898年（明治31年）6月：財務局を廃止し、民政局から改称された民政部に主計課、税務課、会計課などを設置。
1901年（明治34年）11月：民政部に財務局を設置。主計課、税務課、会計課を置く。
1909年（明治42年）10月：局内に金融課を置く。
1919年（大正8年）8月：民政部が廃止され、台湾総督府財務局となる。
1924年（大正13年）12月：会計課を総督官房へ移管し、主計課、税務課、金融課の三課となる。
1942年（昭和17年）11月：会計課、営繕課が加わり、五課体制となる。

機構（1945年当時）

財務局
主計課
税務課
金融課
会計課
営繕課

歴代財務局長・財務部長

歴代の財務局長・財務部長については、詳細な記録が残されていますが、本稿では割愛します。

参考文献

台湾総督府編『台湾統治概要』明治百年史叢書、原書房、1973年（昭和20年刊の複製）。
伊藤博文編『秘書類纂』台湾資料、明治百年史叢書、原書房、1970年（秘書類纂刊行会昭和11年刊の複製）。
岡本真希子『植民地官僚の政治史 - 朝鮮・台湾総督府と帝国日本』三元社、2008年。
秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。

関連項目

朝鮮総督府財務局

台湾総督府財務局は、台湾の財政を管理し、経済発展を支える上で重要な役割を果たしました。その組織や沿革を理解することは、日本統治時代の台湾を理解する上で不可欠です。

もう一度検索