台湾青年社

台湾青年社とは

台湾青年社は、1960年2月28日に、明治大学講師であった王育徳氏を中心に、日本で結成された台湾人団体です。この団体は、台湾の独立を主な目的として活動しました。当初は「台湾青年社」として発足しましたが、後に「台湾青年会」へと改称し、さらに「台湾青年独立連盟」へと組織を拡大しました。最終的には、1970年に設立された台湾独立聯盟（WUFI、後の台湾独立建国連盟）に合流しました。

設立の背景

1949年、王育徳氏は25歳で台湾から日本へ亡命しました。東京大学で学びながら、台湾のアイデンティティを確立するため、台湾語の研究に没頭し、1957年には『台湾語常用語彙』を出版しました。博士課程修了後、1960年に台湾青年社を設立し、日本に留学中の台湾人学生の啓蒙運動と、日本人に対する国際的な宣伝活動を開始しました。

活動内容

台湾青年社は、台湾独立を主張するため、日本語版の雑誌『台湾青年』を創刊しました。この雑誌は隔月刊で始まり、後に月刊化されました（2002年に通巻500号で休刊）。創立メンバーには、王育徳氏の教え子であった黄昭堂氏、廖春栄氏、蔡季霖氏、黄永純氏、傅金泉氏などがいました。初期の参加者には、許世楷氏、張国興氏、周英明氏、金美齢氏、林啓旭氏、侯栄邦氏などの台湾人留学生、そして宗像隆幸氏（ペンネーム宋重陽）がいました。

1963年には、王育徳氏が『台湾 : 苦悶するその歴史』を出版し、台湾独立の正当性を歴史的、国際法、社会学的観点から主張しました。台湾青年社は、『台湾青年』の他に、「独立通訊」や『Formosan Quarterly』、漢文版『台湾青年』、日本語版月刊『台湾』などを通じて、台湾内外で啓蒙・宣伝活動を行いました。設立から3年後の1963年には「台湾青年会」と改称し、留学生運動を展開。1965年には「台湾青年独立連盟」へと発展しました。雑誌の発行に加えて、デモなどの活動を通じて台湾独立をアピールし、国連に対して台湾の自決を訴えました。

台湾独立聯盟への合流

1970年1月1日、台湾青年独立連盟は、アメリカの全米台湾独立聯盟（UFAI）、ヨーロッパの欧州台湾独立聯盟、カナダの台湾人権委員会、台湾島内の地下組織である台湾自由聯盟と連携し、台湾独立聯盟（WUFI）を設立しました。この組織の初代主席は蔡同榮氏が務めました。

『台湾青年』も、第110号（1970年1月号）からは台湾独立連盟が発行所となり、「《台湾青年》は台湾独立連盟の機関誌である。」と明記されるようになりました。

関連情報

参考文献:
王育徳著『「昭和」を生きた台湾青年 : 日本に亡命した台湾独立運動者の回想1924–1949』（草思社、2011年）
国立国会図書館デジタルコレクション「台湾青年【全号まとめ】」
関連項目:
台湾独立建国連盟：1970年に「台湾独立聯盟」として結成され、1987年に現在の名称に改称。
外部リンク:
台湾独立建国聯盟公式ウェブサイト (中国語)
台湾独立建国聯盟日本本部公式ウェブサイト (日本語)

台湾青年社は、台湾の独立運動において重要な役割を果たした団体であり、その活動は現代の台湾にも大きな影響を与えています。

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