台蒙関係

台蒙関係：歴史と現状

台蒙関係とは、中華民国（台湾）とモンゴル国との間の二国間関係を指します。この関係は、歴史的な背景から複雑な様相を呈しており、両国間には正式な外交関係がないものの、経済や文化面での交流が行われています。

歴史的背景

1949年以前、モンゴルと中国は幾度となく衝突を繰り返してきました。万里の長城は、モンゴルからの侵攻を防ぐために築かれたものです。一方で、モンゴル帝国が中国を支配した時代もあり、その後は清朝がモンゴルを支配下に置きました。

1911年の辛亥革命を機に、外モンゴルは大モンゴル国として独立を宣言しました。しかし、中華民国は内モンゴルの支配権を維持し、1919年には北京政府がモンゴルに侵攻して自治権を返上させました。モンゴルは独立を取り戻すため、ソビエト・ロシアの支援を受け、1921年に中華民国軍を追放、1924年にはモンゴル人民共和国が成立しました。

1945年、中ソ友好同盟条約締結を受け、中華民国はモンゴルの独立を国民投票で承認しました。しかし、1949年に中華民国が台湾に撤退した後、1953年にモンゴルに対する独立承認を撤回したと解釈される動きがありました。中華民国は、1971年まで国連において中国を代表しており、常任理事国としての立場を利用して、モンゴル人民共和国の国連加盟を阻止していました。1960年、ソ連の圧力により、中華民国はモンゴルの国連加盟に屈服せざるを得ませんでした。

関係の変化

1993年、中華民国立法院は外モンゴルが中華民国の領土ではないとの見解を示しましたが、司法部は憲法上の領土は司法審査の範囲を超えているとして、モンゴルの位置づけを明確にしませんでした。

2002年、両国関係は大きな転換点を迎えました。中華民国は、モンゴルを独立国として公式に承認し、自国の公式地図からモンゴルを除外しました。これに伴い、モンゴル人に対するビザの発給を開始し、ウランバートルに台北貿易経済代表処、台北にウランバートル貿易経済代表処を設置しました。

2006年、外モンゴルの旗や僧院の設立を規制する法律は廃止されましたが、憲法上の手続きは未だ完了していません。2012年には、中華民国政府は、1946年時点でモンゴルの独立を既に承認していたとの見解を示しました。

現代の台蒙関係

現在、両国間には正式な外交関係はありませんが、貿易、教育、文化面での交流が行われています。台湾には約1,400人のモンゴル人留学生が在籍し、2017年の二国間貿易額は4,484万米ドルに達しています。両国は、それぞれの首都に設置された貿易経済代表処を通じて、実務的な関係を維持しています。

まとめ

台蒙関係は、歴史的な経緯と複雑な政治的要素が絡み合った関係です。正式な外交関係はないものの、経済交流や人的交流は活発化しており、相互理解を深めるための努力が続けられています。今後の両国関係の発展が期待されます。

参考資料
Wikipedia - 台蒙關係

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