司法警察員

司法警察員について

司法警察員（しほうけいさついん）は、刑事事件の捜査において特別な権限を持つ警察職員です。この制度は1948年（昭和23年）以前に「司法警察官」と呼ばれていました。司法警察員は、捜査上の権限が強化された職務を担っており、日本の法体系の中でも重要な役割を果たしています。

司法警察員の指定

司法警察職員は、一般司法警察職員と特別司法警察職員の2つのカテゴリに分かれています。一般司法警察職員には、階級に基づいて司法警察員と司法巡査が区別されます。原則として、巡査の階級にある職員は司法巡査として扱われ、巡査部長以上の階級の職員は司法警察員となります。ただし、必要とされる場合には巡査や巡査長も特定の条件下で司法警察員に指定されることがあります。

一般司法警察職員

一般司法警察職員には、以下の職務に従事する者が含まれます：

• - 刑事課
• - 生活安全課
• - 組織犯罪対策課
• - 公安課
• - 交通課
• - 警備課

また、離島の駐在所等に勤務する者や、その他任命が必要とされる者も含まれます。逮捕令状の発付については、法律によって警部以上の職員に限ると定められています。

特別司法警察職員

特別司法警察職員には、自衛隊の警務官や海上保安庁の海上保安官等が含まれます。具体的には、陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊の各警務官は三等以上の階級の者が司法警察員とされています。また、海上保安庁では、現状では海上保安官のみが司法警察員として機能しており、海上保安官補は空位になっています。

さらに、特定の条件を満たす民間の船舶の船長や他の海員も特別司法警察職員に指定されることがあります。

その他の司法警察員

警察官や自衛隊警務官、海上保安官以外にも以下の職種が司法警察員として認められています：

• - 労働基準監督官
• - 麻薬取締官
• - 漁業監督官
• - 刑務官
• - 皇宮護衛官

権限

司法警察員は、捜査に関する広範な権限を持っており、特に逮捕に関しては特別な権限を行使します。彼らは逮捕状の請求、被疑者の受け取り、犯罪事実の告知、釈放や送致の決定を行うことができます。また、捜索や差押えの令状請求、証拠品の取り扱い、鑑定の請求も彼らの権限に含まれます。

任命

司法警察員の具体的な任命は、各都道府県の公安委員会や警察庁の規則に基づいて行われ、任命を受けた者には特別の証票が交付されます。令状請求の際には、その証票を提示する必要があります。

このように、司法警察員は日本の捜査制度において重要な役割を果たし、犯罪抑止や法の秩序の維持に寄与しています。

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