皇宮護衛官

皇宮護衛官の役割と使命

皇宮護衛官（こうぐうごえいかん）とは、日本の皇室及びその関連施設を守るために設置された特別な公安職となる国家公務員です。彼らは、警察庁に属する皇宮警察本部で勤務し、天皇や皇族の生命、身体および財産を守る任務を担っています。具体的には、皇居、赤坂御用地、御所、御用邸など、皇室に関連する施設の警備が主な業務です。

職務の特異性と採用試験

皇宮護衛官は、一般の警察官とは異なる枠組みで採用されます。そのため、特別な採用試験があり、高倍率での競争を経て選ばれます。令和5年4月1日現在、定員は882人に上りますが、この職務に就くための志望者は毎年数多くいます。また、武道有段者を対象にした枠もあり、身体能力や武道の専門性が求められます。

階級と制服

皇宮護衛官の階級は警察法に定められており、警察官に準じた呼称が与えられます。ただし、すべての階級名の前には「皇宮」が付くため、例えば警部補は「皇宮警部補」となります。皇宮護衛官の制服は、一般的な警察官のそれと似ていますが、右肩に赤い飾緒を装着し、上着の両襟には「皇宮護衛官章」が付けられています。このような独自の制服が、彼らの特殊な任務を示す象徴となっています。

護衛任務の多様性

護衛官の任務には、皇族を警護する「護衛」に加え、儀式的な場面での警備なども含まれます。その際、特別な制服を纏い、馬や側車付二輪車に乗って警備を行うこともあります。このように、皇宮護衛官は、皇室に対する厳重な警護を提供し、一般の警察に比べてより高いスキルと専門性を要求されます。

皇宮警察本部と関連機関

皇宮警察本部には、護衛官の育成を目的に設立された「皇宮警察学校」があります。ここでは、一般的な警察実務に加えて、和歌や茶道などの日本文化が教えられ、乗馬訓練や英会話も行われます。また、皇宮護衛官は消防の業務も担っており、各護衛署には消防車が配置されています。

警察との協力体制

皇宮護衛官は、東京都、神奈川県など1都1府4県を中心に、必要に応じて外国での護衛任務も行います。物理的な護衛体制の一環として、警視庁警備部や都道府県警察と協力し、必要に応じて外部からの支援を得ることもあります。

まとめ

皇宮護衛官は、単に皇族を守るだけではなく、国家の象徴として重要な役割を果たしています。彼らは高度な訓練を経て、専門的なスキルを備えたプロフェッショナルであり、日本の安全と平和を支える重要な存在です。

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