合 (天文)

合（ごう）についての解説

合は天文学および占星術において、観測者が見たときに二つの天体がほぼ同じ位置にある状態を示す言葉です。特に太陽系の天体においては、地球から見るとある天体が太陽の近くに現れる際に使われます。この現象は、天体と太陽の黄経の差が0度を示す瞬間に起こると定義されます。合は、内惑星の内合と外合に分類され、記号（☌）で表されます。

内惑星と外惑星の合

内合や外合という用語は、特に水星や金星の位置を示す際に使われますが、他の任意の二つの惑星間でもこの概念を適用できます。たとえば、火星が衝の状態にある際には、火星から見ると地球は内合にあります。一般に、外惑星や小惑星、彗星については、地球から太陽と同じ方向に見える場合に合の状態にあると言います。また、月は新月のタイミングで太陽と合の状態になります。

黄経と赤経の合

太陽系の天体の合は、黄経が同じ値になる状態を意味しますが、赤経についても同様に合と呼ぶことがあります。この二つの合は、それぞれ黄経の合、赤経の合として区別されることがあります。黄道と天の赤道との間には23.4度の傾きがあるため、これらが完全に同時には起こりませんが、ほぼ同じ時期に発生することが多いです。また、特に三連会合は、黄経または赤経のどちらか一方で起こります。

掩蔽、通過、食

合の状態にある二つの天体が黄緯または赤緯も同じであると、近い方の天体がもう一方の前を通過します。この場合、掩蔽現象として知られる現象が観測されます。片方の天体がもう一方に影を落とす場合が食と呼ばれます。たとえば、月が地球の影に入ることで起こる月食がこれにあたります。一方、視直径の小さい天体が大きい天体の前を通過する場合は通過と呼ばれ、水星や金星が太陽の前を通過する現象が知られています。

歴史的な合

合はしばしば歴史的な出来事や災厄と結び付けられてきました。アブー・マーシャルによる『大会合の書』などの文献は、その影響を強めました。合は周期的な現象であるため、年代の整理に使用されることもあります。特に金星と木星の合は吉兆とされ、これに生まれた者は幸運を持つと見なされることがあります。

歴史上、有名な合の事例としては、木星、土星、火星の三重合（紀元前7年）、全惑星の集合（1186年）、ペストの原因とされた合（1345年）などがあります。また、合が起こるたびに社会的な騒動が起きることも多く、これに関する予言や文献が数多く存在します。

まとめ

合は天文学や占星術において重要な概念です。特に天体の位置や運行にかかわる現象は、古代から近代にかけて多くの神秘や信仰を生んできました。合の観測は、天文学の発展に寄与し、またその結果は占星術の解釈にも影響を与えるため、今後も研究が進められるでしょう。

もう一度検索