黄道

黄道の概要

黄道（こうどう、英: ecliptic）は、天球上における太陽の見かけ上の通り道を指します。この道は、太陽が一年を通じて移動する軌跡であり、地球から見ると大円を描いているように見えます。天球とは、地球から見える空を球体と仮定したもので、そこに星座が配置されています。太陽はこの天球を約365日かけて一周するため、星座の中をゆっくりと移動する様子が観察されます。

例えば、1月20日には太陽が山羊座の領域に位置しているとされ、この時点では他の星座は太陽の光によって見えにくくなります。しかし、太陽はその後、1日におよそ1度の速度で星座間を移動し、2月20日には水瓶座の中、3月20日には魚座の中に位置することになります。このように、太陽が星座の間を通り抜ける道を黄道と呼び、その中の12の星座を「黄道十二星座」と呼びます。

黄道は、天の赤道に対して約23度26分の傾きを持っています。この傾きは黄道傾斜角といい、地球の公転面に対する地軸の傾きによって生じます。同様に、白道と呼ばれる月の通り道は、黄道よりもさらに5度8分7秒ほど傾いています。

黄道と天の赤道との交点には「分点」と呼ばれるポイントがあり、その中で南から北に向かって交わる点を春分点（しゅんぶんてん）と名付けています。この春分点を基準にして、黄道を360度に分割し、これを黄経（こうけい）と呼びます。もう一つの交点は秋分点（しゅうぶんてん）で、こちらは黄経180度に相当します。

現在の二十四節気は黄道を基準にし、15度ごとに24の分点を設定して構成されています（これを定気法と呼びます）。

「黄道」という用語は、漢音では「こうどう」、呉音では「おうどう」とも読まれますが、日本の文部科学省の学術用語集においては「こうどう」と定められています。

関連する項目

• - 黄道吉日: 黄道に関連した吉の日
• - 黄道光（こうどうこう）: 黄道に沿った光現象
• - 黄道座標系: 黄道を基準とした座標系
• - 黄道十二星座: 黄道に位置付けられた12の星座
• - サイン (占星術): 占星術における黄道十二宮
• - 黄道帯: 黄道に沿った広がり
• - 黄道面: 黄道が形成する平面
• - 白道: 月の見かけ上の通り道で、地球に対する位置関係

このように、黄道は天文学や占星術など多くの分野に関連しており、太陽や星座の動きを理解するための重要な基礎となっています。

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