吉井川 (テレビドラマ)

ドラマ『吉井川』の概要

『吉井川』は、1972年10月2日から1973年3月31日までTBSの「ポーラテレビ小説」枠で放送された連続テレビドラマです。この作品は、全156回の放送を持つカラー作品で、原作には棟田博の小説『美作ノ国吉井川』が使われました。物語は明治期の津山を舞台に、過去の歴史や地域の文化を背景として繰り広げられます。

主人公の村田りんは、吉井川の回漕問屋を継ぐ若い女性です。彼女は鉄道の開通によって直面する事業の危機に立ち向かう姿が描かれており、時代の変化に適応しながらも健気に生き抜く様子が感動的に表現されています。この作品は、当時の女性の生き様や厳しい環境の中での奮闘を通じて、多くの視聴者に共感を呼びました。

主演を務めるのは本阿弥周子で、彼女はこのドラマのためにオーディションを受け、見事に選ばれました。なお、彼女は既にこのシリーズの前作『ひまわりの道』にも出演しており、新人とは言えども演技経験を持つ女優です。制作は、1972年8月25日から始まり、当初は屋外でのロケーション撮影が行われ、その後9月4日からはスタジオでの収録が行われました。

特に印象的なのは、物語の中盤で描かれた吉井川の氾濫の場面です。このシーンはスタジオで撮影されたもので、冬の寒さにもかかわらず、本阿弥は激流の中を泳ぐ姿を熱演しました。このシーンは、視覚的にも衝撃的で、ドラマのヤマ場となりました。

音楽は小室等によって手がけられ、彼にとってこの作品が初のテレビドラマの音楽担当となりました。音楽はドラマの雰囲気を一層引き立て、視聴者の感情に訴える役割を果たしました。

キャスト

『吉井川』には多くの印象的なキャストが出演しています。主なキャストは以下の通りです：

• - 村田りん：本阿弥周子
• - 村田りん（子役）：館野令子
• - 倉持壮二郎：溝口舜亮
• - 弥兵衛：宮口精二
• - すま：磯村千花子
• - 大船頭仁吉：前田吟
• - 兵庫屋番頭忠吉：北見治一
• - 十吉：高松しげお
• - 石黒清吾：塚本信夫
• - 兵庫屋ツタ：伊藤栄子
• - 長叉佐介：岸田森
• - 喜乃：清水良英
• - 小天狗：伊藤正次
• - 大黒屋幸助：財津一郎
• - 兵庫屋庄右ヱ門：原保美
• - 片帆の孫七：佐藤允
• - 船大工市兵衛：花沢徳衛
• - タエ：大田黒久美
• - 新兵庫屋政五郎：森幹太
• - 古市新八：村松克巳
• - 捨吉：新倉博
• - 矢村精之：渡辺晃三
• - ナレーション：細川俊之

スタッフ

この作品の創作には、実力派のスタッフが集結しました。脚本は山田正弘が手がけ、演出は坂崎彰、福田新一、豊原隆太郎、和田旭、竹之下寛次の各氏が担当しました。プロデューサーは高橋一郎です。彼らの協力によって、『吉井川』は視聴者に愛されるドラマとしての地位を確立しました。

『吉井川』は、明治の津山の歴史を描きつつ、主人公の成長物語としても価値が高い作品です。

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