塚本信夫

塚本 信夫の生涯と業績

塚本信夫（つかもと のぶお）は、1933年5月7日に東京で生まれ、1996年に63歳でこの世を去った日本の俳優です。彼の本名も塚本信夫で、成城学園高等学校を卒業後、俳優座養成所の第4期生として演劇の世界に足を踏み入れました。同級生には中谷一郎や仲代達矢など、後に名を馳せた俳優が名を連ねていました。

卒業後は劇団三期会に入団し、劇団の中心メンバーとして数々の舞台に出演。この劇団は後に東京演劇アンサンブルと改名され、彼は1965年には代表を務めていました。しかし、1980年代初頭に一度劇団を離れることになりますが、1988年に岸田國士作品の連続公演に客演として復帰しました。その後も2000年代にかけて様々な舞台で活躍し、1993年にはチェーホフの『かもめ』のロシア公演においてモスクワ芸術座の舞台にも立ったことが記憶に残ります。

テレビドラマにおいても数多くの作品に出演しており、特にウルトラシリーズや仮面ライダーシリーズではレギュラーキャストとして親しまれました。ウルトラマンでは『帰ってきたウルトラマン』や『ウルトラQ』に出演し、加藤隊長役などを演じました。この役柄は小林昭二の推薦で得たと言われており、彼自身は詳細を知らされていなかったとのことです。また、仮面ライダーシリーズにも登場し、特に『仮面ライダー（スカイライダー）』や『仮面ライダースーパー1』での谷源次郎役は彼の代表作の一つとなりました。

塚本はテレビだけでなく映画でも多くの出演を果たしました。特に1960年代から80年代にかけての邦画に数多くの映画作品に出演。代表作に『傷だらけの天使』や『皇帝のいない八月』などがあります。舞台では『真夏の夜の夢』や『愛と死の戯れ』など、古典作品にも挑戦し、多彩な役柄を演じました。

彼のキャリアは1970年代から1990年代にかけても続き、NHKの大河ドラマでは『元禄太平記』や『信長 KING OF ZIPANGU』などに出演し、その演技は多くの観客を魅了しました。さらに、彼は吹き替えや声優としても活動し、『ジャングル大帝』などでの声の出演も評価されました。

しかし、彼の生涯は突然の出来事によって締めくくられることとなりました。1996年10月1日、東京演劇アンサンブルで「芝居」の稽古中に脳内出血で倒れ、そのまま亡くなってしまいました。彼の死は、同じく俳優で親しい友人だった小林昭二の訃報からわずか35日後であり、演劇界に大きな影響を与えました。

塚本信夫は、多彩な才能と個性的な演技で日本の演劇・映像界に名を刻んだ貴重な存在であり、彼の活躍は後の俳優たちに多大な影響を与え続けています。

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