吉井町 (岡山県)

吉井町（よしいちょう）

吉井町は、かつて岡山県の中東部、赤磐郡に存在した町です。現在の赤磐市の東北部に位置し、町域は旧赤坂郡と磐梨郡にまたがっていました。町の名前は、町の東部を流れる吉井川に由来します。

2005年3月7日に、山陽町、熊山町、赤坂町との合併により赤磐市となり、吉井町はその歴史を閉じました。

地理

吉井町は、町の大部分を山林が占めていました。町の中心部である周匝地区は、吉井川の氾濫原でもあります。

産業と経済

農業が盛んで、水稲、きゅうり、ぶどうなどが主要な農産物でした。特に地元で収穫されたブドウを主原料とした「是里（これさと）ワイン」は、吉井町の特産品として知られていました。是里農村公園にはワイン記念館があり、多目的広場や遊具なども整備され、地域住民の憩いの場となっていました。

町おこしとツチノコ騒動

2000年には、町内でツチノコ発見騒動が起こり、これをきっかけに町役場に「つちのこ探検隊」が結成されました。「つちのこ基金条例」を制定し、ツチノコを生体捕獲した者には2,000万円の懸賞金を出すなど、町おこしの一環としてツチノコ探索に力を入れていました。

観光

吉井町には、特色ある観光スポットがありました。

岡山農業公園ドイツの森クローネンベルク: 仁堀地区には、中世ドイツの農村や建物を再現した体験型のテーマパークがありました。ドイツの雰囲気を満喫できる観光スポットとして人気を集めました。
吉井竜天天文台公園: 沓石地区には、400mm反射望遠鏡や視聴覚室などを備えた天文台がありました。標高470mの屋外観測場からは瀬戸内海まで見渡せ、天体観測愛好家にとって魅力的な場所でした。

教育

吉井町には、以下の教育機関がありました。

小学校: 赤磐市立城南小学校、赤磐市立仁美小学校
中学校: 赤磐市立吉井中学校
* 高等学校: 岡山県立備作高等学校（2007年3月閉校）

これらの学校は、近隣の学校との統合を経て、現在に至ります。

交通

吉井町内には鉄道は通っていません。かつては同和鉱業片上鉄道線が通っていましたが、廃止されました。

自動車でのアクセスは、美作岡山道路の吉井ICが利用できます。また、国道374号、国道484号、複数の県道が町内を走っています。

合併とその後

2005年の合併により吉井町は消滅しましたが、その名前は、赤磐市立吉井中学校などの公共施設名や地名として残っています。また、是里ワインやドイツの森クローネンベルクなどの産業・観光資源は、赤磐市の魅力として引き継がれています。

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