吉原神社

吉原神社について

吉原神社は、東京都台東区千束に鎮座する神社です。かつて江戸時代に隆盛を極めた新吉原遊廓の鎮守の神として、人々に深く信仰されてきました。現在では、地域の人々の心のよりどころとして、静かに佇んでいます。

歴史

吉原遊廓は、その入口と四隅にそれぞれ稲荷社が祀られ、遊廓全体を守護していました。明治14年（1881年）、これら五つの稲荷社を合祀し、吉原神社が誕生しました。また、吉原遊廓は千束稲荷神社の氏子区域内でもありましたが、吉原神社の創建に伴い、千束稲荷神社との氏子関係は解消されました。

創建当初、吉原神社は遊廓入口の旧吉徳稲荷社境内に祀られていましたが、昭和9年（1934年）に現在の場所に移転しました。

御祭神

吉原神社では、以下の六柱の神様が祀られています。

九郎助稲荷：縁結び、五穀豊穣、所願成就のご利益があるとされています。
吉徳稲荷：家内安全、商売繁盛、五穀豊穣にご利益があるとされています。
榎本稲荷：家内安全、商売繁盛、五穀豊穣にご利益があるとされています。
明石稲荷：火災除け、町内安全のご利益があるとされています。
開運稲荷：開運、幸運、幸福を招くご利益があるとされています。
吉原弁財天：開運、財運、歌舞音曲芸能上達、弁舌のご利益があるとされています。

境内末社・お穴さま

吉原神社の境内には、「お穴さま」と呼ばれる地中の神様が祀られています。古くから、この神様をお参りすると必ず福が得られると伝えられています。

境外末社・吉原弁財天

吉原神社には、境外末社として飛地境内に吉原弁財天が祀られています。明治時代に創建されたこの神社は、昭和10年（1935年）に吉原神社御本社に合祀されました。境内には、昭和32年（1957年）に施行された売春防止法によって幕を閉じた吉原遊廓の歴史を後世に伝えるため、昭和35年（1960年）に建立された「花吉原名残碑」という石碑があります。

交通アクセス

吉原神社へは、以下の駅からのアクセスが便利です。

東京メトロ日比谷線 三ノ輪駅より徒歩12分
東京メトロ日比谷線 入谷駅より徒歩12分
首都圏新都市鉄道つくばエクスプレス 浅草駅より徒歩12分
東京メトロ銀座線 浅草駅より徒歩20分

参考文献

『吉原神社の御由緒と新吉原』　吉原神社宮司　松木伸也著　2024年
『江戸・東京歴史散歩1（中央区・台東区・墨田区・江東区）』トゥーヴァージンズ、2019年

外部リンク

吉原神社



吉原神社は、歴史と文化が色濃く残る場所です。訪れる際には、ぜひゆっくりと境内を散策し、その歴史とご利益を感じてみてください。

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