吉原馬雀

吉原馬雀（よしわら ばじゃく）

1982年7月22日生まれ、宮崎県出身の落語家。本名は井上雄策。紋は『裏梅』、出囃子は『コロブチカ』。

生い立ちと落語との出会い

宮崎県宮崎市瓜生野で生まれ、日向学院中学校・高等学校を経て明治学院大学法学部を卒業。大学時代には落語研究会に所属し、落語に親しむ。

三遊亭歌之介に入門、破門、そして再入門

大学卒業後、社会人を経験した後、2009年12月に三遊亭歌之介（現 四代目三遊亭圓歌）に入門。2010年7月に前座となり、「ございます」という前座名を名乗る。2014年11月には二ツ目に昇進し、「三遊亭天歌」と改名。2016年4月からは、宮崎市の「ふるさと先生」に任命され、地域活動にも貢献した。

しかし、2022年2月下旬に師匠である四代目三遊亭圓歌との間に破門を巡るトラブルが発生。これにより落語家活動を休止する事態となる。同年10月、圓歌が正式に破門を認めたことで師弟関係は解消された。このトラブルは演芸情報誌にも掲載され、大きな話題となった。

その後、圓歌との間で民事訴訟に発展。訴訟に専念するため、活動休止状態が続いていた。しかし、落語家としての活動を諦めることなく、落語協会での活動継続を希望。師匠不在のため、本名で活動していた時期もあったが、2023年7月20日に三遊亭はらしょうのYouTube配信にて、四代目吉原朝馬に再入門することを公表。新たな高座名を「吉原馬雀」とし、再び落語の世界へ足を踏み入れた。再入門という形ではあるが、二ツ目の身分は維持された。

2023年9月1日より「吉原馬雀」として落語協会のプロフィールに掲載され、活動を再開。復帰前と比較すると香盤は若干落とされたものの、再び協会員としての活動を始めている。

元師匠との確執と裁判

2024年1月26日、東京地方裁判所にて、圓歌によるパワーハラスメントを認定する判決が下された。裁判長は圓歌の行為を「暴行を伴う苛烈な叱責であり、社会的に許容される範囲を逸脱している」と指摘。圓歌に対し、馬雀への80万円の支払いを命じた。圓歌側は判決を不服として控訴するも、後に取り下げ。これにより一審判決が確定した。

馬雀は幼い頃から圓歌のファンであり、圓歌の落語を聴いて育った。その「憧れの存在」であった圓歌に入門したものの、人間としての圓歌の側面を知るにつれ失望を深めたという。現在では、落語が好きになったきっかけを与えてくれたことには感謝しているものの、人間としては軽蔑しており、尊敬や信頼は一切していないと語っている。

真打昇進と今後の活動

2025年9月21日、柳家やなぎ、林家なな子、入船亭遊京、金原亭馬久と共に真打昇進が予定されている。度重なる困難を乗り越え、落語家としての新たなステージへと進む。

芸歴

2009年12月 - 三遊亭歌之介に入門
2010年7月 - 前座となる、前座名「ございます」
2014年11月 - 二ツ目昇進、「天歌」と改名
2022年10月 - 四代目三遊亭圓歌から破門される
2023年7月 - 四代目吉原朝馬に再入門、「馬雀」を名乗る

外部リンク

吉原馬雀 - 公式ホームページ
吉原馬雀 - 落語協会
吉原馬雀 (@yusaku3dayo) - X（旧Twitter）
吉原馬雀の奇妙な冒険 - Ameba Blog
吉原馬雀(元・三遊亭天歌)なりの勉強机 - YouTubeチャンネル

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