吉川久衛

吉川 久衛について

吉川 久衛（きっかわ きゅうえ）は、1905年4月10日に長野県上伊那郡飯島村で生まれた。彼は日本の農業協同組合運動における重要な推進者であり、衆議院議員としても活躍した。

学歴とキャリアの始まり

吉川は、赤穂村立公民実業学校、現在の長野県赤穂高等学校を卒業後、1932年に明治大学法学部英法学科を修了した。大学卒業後、同年に農林省（現在の農林水産省）に入省し、官僚としてのキャリアをスタートさせた。最初は大臣官房の吏員として働き、次第に興農合作社中央会の科長、中央農業会の課長、さらには戦時農業団の秘書役と様々な職を経験した。このような多様な経歴が、後の彼の農業政策における影響力を強める要因となった。特に、戦時中には満洲に5年間派遣された経験があり、これが彼の視野を広げるきっかけとなった。

政治家としての歩み

1947年には第23回衆議院議員総選挙において長野県第3区から立候補し、その後8回連続して当選を果たした。衆議院では農林政務次官を務め、さらに農林水産、決算、地方行政の各常任委員長を歴任した。吉川はこのような立場を通じて、農業基本法や農業管理法の制定に寄与し、農協共済制度や農林年金制度の確立にも大きな役割を果たした。

農協運動への貢献

農業協同組合の発展にも深く関与し、農協中央会や各種連合会の育成指導にも力を注いでいた。彼の指導力と政策は、日本の農業界において重要な転換期を迎える背景となり、多くの農家や農業従事者に恩恵をもたらした。著書には、『農業協同組合法要論』があり、農協運動の理論的基盤を示すものとして評価されている。

晩年と死去

1978年6月20日、吉川は脳出血により駒ヶ根市の昭和伊南総合病院で亡くなった。享年73歳であった。彼の遺した功績は、現在でも多くの農業関係者に受け継がれており、農業協同組合運動における彼の影響力は今なお色褪せることはない。

参考文献

• - 『現代信濃人物誌 3』1972年
• - 『長野県歴史人物大事典』郷土出版社、1989年

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