第23回衆議院議員総選挙

第23回衆議院議員総選挙の概要

1947年4月25日に実施された第23回衆議院議員総選挙は、新たに施行される日本国憲法を背景に行われた重要な政治イベントに位置づけられます。この選挙は、当時の総理大臣である吉田茂が率いる日本自由党の第一党体制のもとで行われたものであり、旧大日本帝国憲法を継承しての内閣構成が先立った背景を持っていました。選挙の目的は、新憲法施行を前に自らの政策と政権の正統性を国民に問うことにありました。

選挙の実施に先立ち、衆議院議員選挙法に関する改正が行われました。中選挙区制度が戦前の状況に戻って使用されることとなり、選挙区の範囲は厳重に定められました。これには、ソ連による占領下の北方領土や米国占領下の小笠原諸島、奄美群島、沖縄県の一部地域は含まれず、また、青ヶ島村は通信困難地域として選挙が行われないこととなりました。

選挙データ

この選挙では、吉田茂が指導する日本自由党が与党とし、投票日は1947年4月25日、解散日および公示日はいずれも3月31日でした。改選数は466名で、中選挙区制が導入され、117選挙区から選出されることになりました。主な選挙の仕組みは、秘密投票、単記投票、1票制が採用され、選挙権は満20歳以上の日本国民に与えられました。そして、約4090万人の有権者があり、そのうち67.95%が投票に参加しました。

選挙結果

選挙後、日本社会党と民主党などが躍進を遂げ、片山内閣が誕生しました。選挙の結果、日本社会党は70議席を獲得し、日本自由党は59議席、日本民主党は58議席を得ました。特に、女性の投票率も大きな注目を集め、今回の選挙は新たな時代の幕開けを象徴するものでした。女性の投票率は、全体で61.60%に達し、高い関心が寄せられていたことが伺えます。

また、当選者の数においても、初当選を果たす議員が多く、222名が新たに国会に参加することとなりました。各政党でも、返り咲きを果たした議員や引退を選んだ議員が多く見受けられ、政治の流動性が高まっていたことが印象的です。

選挙後の状況

その後、国会は1947年5月20日に開会され、選挙後の国会議長や副議長の選出も実施されました。松岡駒吉が衆議院議長に選出され、片山哲が内閣総理大臣に選ばれるといった、政局の新たな展開が始まりました。

この選挙は、戦後日本の政治体制が大きく変革していく過程を示すものとなり、その影響は現在の政治にも色濃く残っています。国民の意識改革や、多様な政党が新たに立候補する土壌が整いつつあったことは、この時期において重要な要素として確実に次代に送られていきました。

もう一度検索