吉川昌宏

吉川昌宏（よしかわ まさひろ）

1978年6月29日生まれ、高知県香美市出身の元プロ野球選手。右投左打の投手として活躍しました。サイドスローから繰り出す多彩な変化球を武器とする技巧派として知られています。

プロ入り前

明徳義塾中学校から明徳義塾高校に進学。高校時代からサイドスローの投球フォームで注目を集め、2年秋には四国大会で優勝。選抜高校野球大会ではベスト8に進出しました。夏の甲子園にも出場し、2回戦で敗退したものの、高校日本代表にも選ばれるなど、その実力は高く評価されていました。

1997年には亜細亜大学に進学。大学では、同じサイドスローの先輩である高津臣吾の背番号「11」を受け継ぎ、1年春から登板。同期には、後にスワローズでチームメイトとなる松井光介や久本祐一がいました。大学時代は主にリリーフとして活躍し、日米大学野球の代表にも選出されています。東都大学リーグでは通算31試合に登板し、9勝3敗、防御率3.23、87奪三振の成績を残しました。

大学卒業後の2001年、社会人野球のローソンに入社しますが、チームは2002年シーズン終了後に廃部。その状況の中、2002年のドラフト会議でヤクルトスワローズから8巡目指名を受け、プロ野球選手としてのキャリアをスタートさせました。

プロ入り後

2005年に初の開幕一軍入りを果たすと、開幕から8試合連続無失点を記録。この年、チームトップタイの61試合に登板し、23ホールドを挙げる活躍を見せました。左打者に対する被打率を1割台に抑えるなど、セットアッパーとしてチームに貢献しました。また、この年からトレードマークとなる髭を蓄え始めました。プロ初勝利は、古田敦也選手の2000本安打達成と同じ日という記念すべきものでした。

2006年はリリーフの一角として前半戦だけで23試合に登板しましたが、6月下旬に肩痛で二軍降格。夏場はリハビリに費やし、9月に復帰しました。この年は左打者に苦戦し、被打率4割以上を許してしまいました。

2007年は43試合に登板し、中継ぎとして安定した投球を披露。夏場以降は特に安定感を見せました。しかし、2008年以降は、チームの他の投手陣の活躍もあり、登板機会が減少。2009年には8試合の登板にとどまりました。

2010年は、シーズン初登板で満塁のピンチを併殺で切り抜け、ルーキーの初勝利をアシストする活躍を見せましたが、一軍では被本塁打による大量失点が目立ち、防御率10.00と苦しいシーズンとなりました。

2011年は、二軍で好成績を残したものの、一軍での登板機会は無く、戦力外通告を受け、12月に自由契約となりました。

引退後

引退後は地元高知に戻り、野球アカデミーを設立しましたが、2014年に閉校。その後は、衆議院議員の私設秘書を務めています。また、高校時代の後輩の縁で、地元の軟式野球チームに所属し、選手としても活躍しています。2016年には、高知県軟式野球連盟の中学女子選抜チームの臨時コーチも務めました。

選手としての特徴

サイドスローから、ツーシーム、シンカー、カットボールなど多彩な変化球を操る技巧派右腕として知られています。打者のタイミングを外す投球術に長けていました。

年度別投手成績

記録

初登板：2003年6月18日、対中日ドラゴンズ戦
初奪三振：2003年6月18日、対大西崇之
初ホールド：2005年4月17日、対読売ジャイアンツ戦
初勝利：2005年4月24日、対広島東洋カープ戦

背番号

* 62 （2003年 - 2011年）

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