吉本一義

吉本 一義（よしもと かずよし）は、1971年11月30日生まれ、大阪府出身の元プロ野球選手である。主に外野手としてプレーしたが、アマチュア時代は投手としても実績を残した異色の経歴を持つ。

経歴

北陽高校へ進学後、1年生時には硬式から軟式野球へと転じている。高校卒業後は大阪経済法科大学に進み、再び硬式野球の世界へ。大学では主に投手として才能を開花させた。2年秋のリーグ戦では、1試合で8者連続を含む18奪三振を記録するなど、圧巻の投球を見せた。3年春にはチームをリーグ優勝に導き、最優秀選手（MVP）に輝いた。また、同校史上初となる全日本大学野球選手権大会出場に貢献し、初戦では完封勝利を挙げる活躍を見せた。同年秋季リーグでは肩の故障に見舞われ、投手としてはわずか1イニングの登板にとどまったが、指名打者として打率.406をマークし、特別賞を獲得。野手としての非凡な才能も示した。

こうしたアマチュアでの実績が評価され、1993年のプロ野球ドラフト会議において、福岡ダイエーホークスから3位指名を受け、プロの世界へ足を踏み入れた。

プロ時代（ダイエーホークス）

プロ入り当初は投手としての道を歩んだが、肩の故障なども影響し、並行してファームでは打者としても出場機会を得ていた。そして1995年シーズン途中に、正式に野手、外野手への転向を決断した。この転向が実を結び、翌1996年にはプロ入り後初となる一軍公式戦出場を果たした。一軍での初出場は1996年8月1日、北九州市民球場で行われた対日本ハムファイターズ戦で、大道典良選手の代打として登場したが結果は三振だった。プロ初安打は1997年10月9日、グリーンスタジアム神戸での対オリックスブルーウェーブ戦で、水尾嘉孝投手から放っている。同年10月17日には千葉マリンスタジアムでの対千葉ロッテマリーンズ戦で、5番・指名打者としてプロ入り初の先発出場を果たした。

その後、一軍での出場機会は限られ、1999年以降は再び一軍でのプレーがないまま、2000年シーズンをもってダイエーホークスを退団することとなった。

韓国プロ野球時代（LGツインズ）

日本球界を離れた後も現役続行への意欲は衰えず、2002年には韓国プロ野球のLGツインズの入団テストに合格した。登録名を「李一義（イ・イルィ）」と改めて、国外でのプレーを選択した。LGツインズでは主に代打として72試合に出場するなど存在感を示したが、翌2003年は出場機会が激減し、わずか2試合の出場にとどまり、シーズン終了後に退団となった。

背番号

プロ生活を通じて複数の背番号を着用している。

32 （1994年 - 1995年）
60 （1996年 - 1998年）
51 （1999年 - 2000年）
10 （2002年 - 2003年）

登録名

吉本 一義 （よしもと かずよし、1994年 - 2000年）
李 一義 （イ・イルィ、이일의、2002年 - 2003年）

大阪経済法科大学時代に投手、指名打者として活躍し、プロ入り後に外野手へ転向、さらに韓国球界でもプレーするなど、そのキャリアは非常にユニークである。

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