吉村元富

吉村 元富（よしむら もととみ）

吉村元富（よしむら もととみ、1962年4月17日生まれ）は、在日韓国人の元プロ野球選手で、主に外野手として活躍しました。彼の本名は高元富（コ・ウォンブ）で、韓国語では 고원부と表記されます。彼の野球人生は多くの試練がありましたが、その中で数々の栄光も手にしました。

経歴

吉村元富は名古屋にある中京高等学校で野球を始めました。在学中の彼は、1980年に春の県大会で優勝を果たし、高校野球界で名を馳せました。当時、彼の1学年上には栗岡英智が、同期にはのちに同校監督となる大藤敏行がいました。その実力を評価され、1980年のオフにドラフト外で南海ホークスに入団しました。

プロ入り後、1983年10月14日に行われた試合で初出場すると、同年10月18日の一軍最終戦ではプロ初安打となる本塁打を放ちます。1984年のジュニアオールスターゲームではMVPに選出されるなど、明るい未来が期待されました。しかし、翌1985年には春季キャンプで一軍メンバー入りの約束が反故にされたことから、球団に対する信頼が揺らぎ、1月22日に南海を退団しました。

退団後、吉村は張本勲の勧めにより韓国プロ野球リーグのピングレ・イーグルスに入団します。ここで彼は1989年に首位打者とゴールデングラブ賞を獲得する活躍を見せました。そして1992年にOBベアーズに移籍し、同年限りで現役を引退しました。

引退後は、1994年から1995年にかけて太平洋ドルフィンズの打撃コーチとして指導にあたりました。その後、彼は名古屋で事業を展開し、地元に根ざした生活を送っています。

詳細情報

年度別打撃成績

彼の成績に関する詳細なデータは以下の通りです。

• - KBO（韓国プロ野球）: 1989年に首位打者を獲得
• - NPB（日本プロ野球）: 1984年のジュニアオールスターでMVPを受賞
• - ゴールデングラブ賞: 1989年に受賞

プロ通算の記録

• - KBOオールスターゲーム出場: 1987年、1989年の2回
• - 初出場: 1983年10月14日、対阪急ブレーブス25回戦
• - 初安打・初本塁打・初打点: 同年10月18日の対阪急ブレーブス26回戦で達成

後年の活動

• - 背番号: 南海ホークス時代の背番号は38、韓国プロ野球では4、および39、そして太平洋ドルフィンズ時代は81でした。
• - 登録名の変遷: 小林元富（1981年 - 1984年）、高元富（1985年 - 1992年）と名乗っていました。

吉村元富は、ウィニングランを経て野球界に残した印象と功績から、多くのファンに愛され続けています。彼のキャリアは、両国の野球界での架け橋としての役割を果たし、多文化共生の象徴とも言える存在です。

もう一度検索