吉村怜

吉村怜（よしむら れい、1929年 - ）は、日本の仏教美術史学者であり、長年にわたり早稲田大学で教鞭を執り、名誉教授の称号を得ています。彼の専門は、仏教美術史、特に中国における仏教図像学の研究であり、その分野で数多くの重要な業績を残しました。

経歴

吉村氏は東京府（現在の東京都）に生まれました。早稲田大学に進学し、1957年に文学部美術専攻を卒業、1959年には同大学院の東洋美術史修士課程を修了しました。その後、1962年に早稲田大学の助手となり、講師、助教授を経て教授に昇進しました。1999年に定年退職し、早稲田大学名誉教授となりました。1980年には、「北魏仏教図像の研究」で文学博士の学位を取得しています。

研究内容

吉村怜氏の研究は、仏教美術、中でも仏像の図像やその変遷、そして仏教美術が東アジアの文化に与えた影響に焦点を当てています。彼の研究は、文献資料の meticulous な分析と、実際の美術作品の観察に基づいています。彼は、仏像の着衣や僧衣、天人の図像など、特定のテーマに深く掘り下げ、その歴史的、文化的な意味を解明しようと試みました。

著書

吉村氏は、数多くの著書や論文を発表しており、その研究成果は広く知られています。主な著書としては、『中国仏教図像の研究』（東方書店, 1983）、『天人誕生図の研究 東アジア仏教美術史論集』（東方書店, 1999.3）、『仏像の着衣と僧衣の研究 東洋美術史論考』（法蔵館、2019）などがあります。これらの著書は、仏教美術史研究における重要な参考文献として、今日でも広く活用されています。

共著

吉村氏は、他の研究者との共同研究も積極的に行っており、『中国美術の旅』（吉村ちさ子共著. 美術出版社, 1980）、『會津八一 その人とコレクション』（大橋一章共著. 早稲田大学出版部, 1997）などの共著があります。これらの共著は、彼の研究の幅広さを示すものです。

記念論集

吉村氏の古稀を記念して、『東洋美術史論叢』（吉村怜博士古稀記念会 編. 雄山閣出版, 1999）が刊行されました。この論集は、彼の業績を称えるとともに、東洋美術史研究の発展に貢献するものです。

吉村怜氏は、日本の仏教美術史研究において、多大な貢献をした学者であり、その研究成果は、今後も長く評価され続けるでしょう。

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