吉村証子

吉村証子（よしむらあかしこ）は、1925年7月3日に東京で生まれ、1979年4月23日に生涯を閉じました。彼女は科学史家、児童科学読物作家として知られています。農政学者である小出満二の双子の次女として誕生し、福岡と東京で育ちました。

学歴としては、1947年に津田塾専門学校（現在の津田塾大学）の物理化学科を卒業後、1951年には東京大学理学部地球物理学科を卒業しました。その後、普連土学園や神田女学園で講師を務めながら、平凡社の『理科事典』や『科学技術史年表』の編集・執筆に携わりました。

1955年には弁護士の吉村節也と結婚。1956年からは津田塾大学の講師となり、亡くなるまで科学史を教え続けました。教育者としての活動以外にも、1967年には日本子どもの本研究会を設立し、副会長に就任、さらに1968年には自宅で「科学読物を読む会」を開催し、科学読物研究会を立ち上げました。これらの活動を通して、児童向けの科学読物の普及と研究に尽力しました。

吉村証子の業績を称え、1981年から1996年まで吉村証子記念日本科学読物賞が設けられました。彼女の功績は、科学史研究と児童文学の両分野において、今もなお高く評価されています。墓所は多磨霊園にあります。

主な著書

『ほいくえんのひっこし』田代三善絵、ポプラ社、1971年（しゃかいの絵本シリーズ）
『ちずあそび』帆足次郎絵、岩崎書店、1975年（知識の絵本シリーズ）
『子どものための科学の本』いづみ書房、1977年（くさぶえ文庫）
『ナミの海をかえして』津田櫓冬絵、岩崎書店、1980年（岩崎幼年文庫）

共著

『天気図をつくろう』河嶋正共著、高田藤三郎絵、岩波書店、1979年（算数と理科の本シリーズ）

主な翻訳

ローズ・ワイラー、ジェラルド・エイムズ『たしかめてみよう』福音館書店、1969年（福音館の科学シリーズ）
リン.M.オーセン『数学史のなかの女性たち 八人の女性数学者とその生涯』牛島道子共訳、文化放送開発センター出版部、1977年（のち法政大学出版局より再刊）

参考文献

古川安『津田梅子：科学への道、大学の夢』（DMMブックス）東京大学出版会、2022年

関連項目
日本の小説家一覧
児童文学作家一覧

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