日本科学読物賞について
日本科学読物
賞は、
1981年から
1996年の間、吉村証子記念会によって主催された、優れた科学読み物を対象とした
賞です。この
賞は、科学的な内容を分かりやすく、かつ魅力的に伝える作品を顕彰することで、科学への関心を高めることを目的としていました。
受
賞作品は、絵本、児童書、ノンフィクションなど多岐にわたり、自然科学、生物、地球科学、宇宙科学など、さまざまな分野を扱っています。子どもたちが科学に親しむきっかけとなるだけでなく、大人にとっても科学の面白さを再発見する機会を提供しました。
受賞作品一覧(一部)
以下に、各回の受
賞作品の一部を紹介します。これらの作品は、科学的な知識を楽しく学べるだけでなく、読者の好奇心を刺激し、深く考える力を養うものばかりです。
第1回(1981年):「かがくのとも」シリーズ(福音館書店)
子どもたちの身近な疑問に応える科学絵本シリーズ。
第2回(1982年):
大竹三郎、岩波映画製作所(写真)『ふしぎないろみず』(岩波書店、ぼくのさんすう・わたしのりか)
色の不思議を科学的に解き明かす写真絵本。
宇尾淳子「ホルモンの不思議-アオムシがチョウになる」(蒼樹書房)
ホルモンの働きを分かりやすく解説。
第3回(1983年):
島村英紀『地震をさぐる』(国土社)
地震のメカニズムを解説した科学読み物。
「科学のアルバム」シリーズ(あかね書房編集部)
科学をテーマにした写真絵本シリーズ。
第4回(1984年):
今泉吉晴「ジュニア写真動物記 2 ムササビ-小さな森のちえくらべ」(平凡社)
ムササビの生態を捉えた写真動物記。
「文研科学の読み物」シリーズ(文研出版)
科学的なテーマを扱った読み物シリーズ。
第5回(1985年):
高田勝「雪の日記帳」(岩崎書店)
雪の結晶の美しさと科学を伝える絵本。
小山重郎「よみがえれ黄金(クガニー)の島-ミカンコミバエ根絶の記録」(筑摩書房)
ミカンコミバエの根絶に挑んだ人々の記録。
第6回(1986年):
金井塚務『ニホンザル』(いちい書房)
ニホンザルの生態を詳しく解説した読み物。
「新日本動物植物えほん」シリーズ(新日本出版社)
日本の動物や植物を紹介する絵本シリーズ。
第7回(1987年):
黒田弘行「サバンナをつくる生きものたち」(大日本図書)
サバンナの生態系を解説した科学読み物。
「やさしい科学」シリーズ(さ・え・ら書房)
科学の基礎をやさしく解説するシリーズ。
第8回(1988年):
川道美枝子「北国の森に生きる シマリスの冬ごし作戦」(文研出版)
シマリスの冬の暮らしを追った科学読み物。
清水清「植物たちの富士登山」(あかね書房)
富士山に生息する植物の生態を紹介。
第9回(1989年):
長谷川善和/薮内正幸「日本の恐竜」(福音館書店)
日本の恐竜化石について解説した絵本。
太田威「ブナの森は緑のダム」(あかね書房)
ブナの森の保水力を解説した科学読み物。
第10回(1990年):
山田真「びょうきのほん」(福音館書店)
病気のメカニズムを子供向けに解説した絵本。
石井象二郎「わたしの研究 イラガのマユのなぞ(わたしのノンフィクション15)」(偕成社)
イラガのマユの謎に迫るノンフィクション。
第11回(1991年):
かこさとし『ピラミッド その歴史と科学』(偕成社)
ピラミッドの歴史と科学を解説した読み物。
山下文男「津波ものがたり」(童心社)
津波のメカニズムを解説した科学読み物。
第12回(1992年):
高家博成「あめんぼがとんだ」(新日本出版社)
アメンボの生態を観察した科学絵本。
中西準子「東海道水の旅」(岩波書店)
東海道の水の流れを追った科学読み物。
第13回(1993年):
池内了(文)、小野かおる(絵)「お父さんが話してくれた宇宙の歴史」シリーズ(全4巻、岩波書店)
宇宙の歴史を分かりやすく解説したシリーズ。
長谷川政美『遺伝子が語る君たちの祖先』(あすなろ書房)
遺伝子の観点から人類の祖先を辿る科学読み物。
第14回(1993年):
松岡達英『ジャングル』(岩波書店)
ジャングルの生態系を描いた絵本。
原聖樹/青山潤三「チョウが消えた!?」(あかね書房)
環境問題を通してチョウの減少を考える科学読み物。
第15回(1994年):
高田勝/叶内拓哉「落としたのはだれ?」(福音館書店)
身近なものを題材にした科学絵本。
羽田節子「キャプテン・クックの動物たち すばらしいオセアニアの生きもの」(大日本図書)
キャプテン・クックの探検を通してオセアニアの動物を紹介。
関連事項
日本科学読物
賞は、科学読物の普及と発展に大きく貢献しました。関連事項として、科学読物や科学読物研究会などがあります。これらの活動を通して、科学への関心を高め、豊かな学びを育むことが期待されます。