吉次公介

吉次公介について

吉次公介氏は、1972年生まれの日本の政治学者です。現在は立命館大学法学部教授として、日本政治外交史を専門に研究・教育活動を行っています。特に、戦後日本外交史や日米関係史における研究で知られています。

学歴と職歴

1995年に立教大学文学部を卒業後、2000年に同大学院政治学研究科博士課程を単位取得満期退学しました。2007年には、立教大学より博士（[[政治学）]]の学位を授与されています。その後、沖縄国際大学法学部で講師、助教授（2007年より准教授）、教授を歴任し、2013年4月より立命館大学へ移籍しました。現在に至るまで、立命館大学法学部教授として教鞭を執っています。

研究活動

吉次氏の研究は、歴史的な公文書の発掘と分析を通じて、戦後日本の外交政策や日米関係の実態を解明することに重点を置いています。特に注目すべき業績として、以下の2点が挙げられます。

日本の核製造能力に関する機密報告書の発見
2004年、アメリカ政府の機密報告書を入手し、公開しました。この報告書は、1965年にアメリカ軍備管理軍縮局が作成したもので、1970年代初頭には日本が年間最大30個の核兵器を製造する能力を持ち、1975年頃までには核搭載可能な弾道ミサイルを100基製造できる能力があったと記されていました。この発見は、日本の核政策に関する議論に大きな影響を与えました。

昭和天皇の親米的発言を示した公文書の発見
2005年6月には、中北浩爾氏との共同研究で、アメリカ国立公文書記録管理局で複数の公文書を入手しました。これらの公文書には、昭和天皇が1953年から1972年にかけて、日米の外交官や米軍幹部に対し、米軍の日本駐留継続を希望したり、アメリカの日本への援助に謝意を表明したりするなどの親米的な発言をしていたことが記録されていました。この発見は、戦後日本の対米外交を考える上で重要な資料を提供しました。

著書

吉次氏は、これまでの研究成果をまとめた多数の著書を刊行しています。主な著書には、以下のようなものがあります。

単著
『日米安保体制史』（岩波新書、2018年）
『日米同盟はいかに作られたか：「安保体制」の転換点：1951-1964』（講談社選書メチエ、2011年）
『池田政権期の日本外交と冷戦：戦後日本外交の座標軸1960-1964』（岩波書店、2009年）

共著
『危機の時代と「知」の挑戦(下)』（論創社、2018年）
* 『アメリカ外交の分析─歴史的展開と現状分析─』（大学教育出版、2008年）

これらの著書は、日本政治外交史の研究において重要な貢献を果たしており、学術界だけでなく、一般の読者にも広く読まれています。

吉次公介氏は、歴史的な資料に基づいた実証的な研究を通じて、戦後日本の外交政策や日米関係の実態を明らかにし、現代日本の政治や国際関係を理解する上で、重要な視点を提供しています。

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