吉永榮助

吉永榮助について

吉永榮助（よしなが えいすけ、1912年3月20日 - 1998年9月28日）は、日本の法学者として特に商法と経済法の分野で知られています。東京に生まれ、一橋大学で法学博士の学位を取得。後に同大学の名誉教授となり、長い教育と研究のキャリアを持ちました。

学歴と初期の経歴

吉永は、1929年に府立第七中学校（現在の東京都立墨田川高等学校）を卒業後、東京商科大学の予科に入学しました。1934年には旧制司法試験に合格し、1935年に商学部を卒業。その後、商学部の助手として研究を続けました。初めは民法学の岩田新ゼミナールで学びましたが、岩田教授が退官すると、田中誠二教授の指導のもとで商法研究に移行しました。さらに当時の著名な学者たちとの研究会にも参加し、さまざまな視点からの法学の探求を続けました。

教職歴

吉永は1938年に東京商科大学附属商学専門部の専任講師として教壇に立ち、1940年には同部の教授に昇任しました。1950年には商学部教授として再登板し、1951年からは一橋大学法学部の教授となり、1975年には一橋大学にて停年退官を迎えました。その後も専修大学法学部で教授を務め、1983年に定年を迎えるまで多くの学生を指導しました。

指導した学生には後に一橋大学名誉教授となる久保欣哉や、南山大学名誉教授の黒田清彦、成城大学名誉教授の中川和彦など、非常に多くの著名な研究者や実務家がいます。これにより、彼の指導する学生たちは日本の法学界で大きな影響力を持つようになりました。

家族

吉永の妻である智惠子は、阿久津謙二元東京商科大学専門部教授の三女です。彼の家庭背景も学問に大きな影響を与えたと考えられます。

業績

吉永榮助の代表的な著作には、商法と経済法に関連する多くの書籍が存在します。特に『手形・小切手法講話』は1954年に初版が刊行された作品であり、後に1965年には新版が発行されました。また、『商法総則講義案』は1962年に初版が出され、1984年に全訂版が完成しました。加えて、コンメンタールとして田中誠二、山村忠平と共著した『會社法』も1957年に出版され、その後の研究や実践にも影響を与えました。

さらに、1972年には石川惣太郎との共著による『ソビエト経済法 : 貿易関係法と海事法』、1974年から1976年にかけて発表された『経済法学の基礎理論 : 継受・比較法的方法』、そして2004年に出版された『企業法・経済法の諸問題』といった著作も彼の重要な業績です。

吉永榮助の功績は、日本の法学界に多大な影響を与え、その教え子たちや著作を通じて今日まで継承されています。彼の業績は、商法や経済法の分野における基礎的な理論の構築と、実務における応用に貢献したことが評価されています。

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