吉河光貞

吉河光貞（よしかわ みつさだ）

吉河光貞は、1907年1月16日に東京府で生まれ、1988年4月17日に81歳で亡くなった、日本の検察官、司法・法務官僚です。

生涯

吉河は京華中学、一高を経て、1930年に東京帝国大学法学部に入学しました。大学在学中は新人会に所属し、田中清玄らと共に活動、日本共産党にも入党しています。しかし、大学卒業直後に共産党を離党し、翌年には司法官試補となり、各地の裁判所で検事を務めました。

東京地方裁判所時代には、主任検事として思想事件を担当し、ゾルゲ事件の捜査に参加、リヒャルト・ゾルゲの取り調べを行いました。第二次世界大戦終結後の1948年には、法務庁特別審査局（後の公安調査庁）の初代局長に就任。翌年に法務府に改称された後も局長などを務め、チャールズ・ウィロビーの要請で下院非米活動委員会の証人として証言しました。また、団体等規正令や破壊活動防止法の制定を推進しました。

1951年には、法務府特別審査局長時代に不正入出国に関する問題で衆議院行政監察特別委員会に証人喚問されています。その後、最高検察庁検事を経て、1964年5月に公安調査庁長官に就任しました。1968年9月には広島高等検察庁検事長に転じ、1969年12月に退官しました。

メディアへの登場

吉河光貞は、以下のメディアにも登場しています。

映画
スパイ・ゾルゲ（2003年、椎名桔平が演じる）
劇画
アドルフに告ぐ

著作・口述

吉河光貞は、以下の著作や口述記録を残しています。

『所謂米騒動事件の研究』 司法省刑事局、1939年
『関東大震災の治安回顧』 法務府特別審査局、1949年9月
「特審教養史料一 『特別審査局の沿革と使命　特別審査局の機構とその所掌事務の概要』」 法務府特別審査局
「国際謀報団「ゾルゲ・尾崎事件」」『昭和史探訪』第3巻、三国一朗インタビュー・編集、番町書房、1975年
「ゾルゲ事件に関する吉河光貞検事の非米活動調査委員会聴聞記録覚書」『ゾルゲ事件関係外国語文献翻訳集』第3巻、日露歴史研究センター事務局、2004年4月

関連人物

大橋秀雄 (警察官) - 吉河と共にゾルゲを取り調べた人物です。

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