吉浜駅 (岩手県)

吉浜駅について

吉浜駅（よしはまえき）は、岩手県大船渡市三陸町吉浜に位置する三陸鉄道リアス線の駅です。この駅はかつて日本国有鉄道（国鉄）盛線の終着駅であり、長い歴史を有しています。吉浜駅の愛称は「キッピンあわびの海」。これは、地域特産の高級食材であるアワビ「キッピン鮑」から名付けられました。

歴史

吉浜駅は1973年（昭和48年）7月1日に開業し、無人駅として日本国有鉄道盛線の終着駅でした。1984年には三陸鉄道に転換され、南リアス線の一部として運行が開始されました。この時、吉浜駅は釜石駅への延伸に伴い中間駅となりました。

2011年3月11日には、東日本大震災に伴う津波により南リアス線全線が不通となりましたが、2013年4月3日には盛駅からの営業が再開され、続いて2014年4月5日には釜石駅へも営業が再開されました。

駅構造

吉浜駅は単式ホーム1面1線を持つ地上駅で、駅舎には「きっぴんセンター」が併設されています。この施設内には大船渡市出張所や集会場が備えられています。また、切符売場があった場所は現在は使用されておらず、無人駅となっています。駅舎の外壁は、東日本大震災による復旧を記念して描かれた桜の花で装飾されています。このデザインは「キット、ずっとプロジェクト」にちなんでおり、ネスレ日本の協賛によるものです。これにより地域の復興の象徴ともなっています。

利用状況

「大船渡市統計書」によると、2021年度（令和3年度）の吉浜駅の1日あたりの平均乗車人員は19人にのぼります。過去数年間の利用状況については、2002年度（平成14年度）以降、少しずつ変化しながら推移しています。

駅周辺の特筆すべき出来事

吉浜駅は、2013年に放送されたテレビ東京の特別番組「志村けんと行く!勝手にドッキリ感動旅!」との関係で特別な注目を集めました。志村けん（ザ・ドリフターズ）が当駅の非常勤駅長に就任し、駅内には彼の等身大パネルや「志村箱」と呼ばれる目安箱が設置されました。また、志村さんが提案した桜色の歩道橋も駅前に完成し、女優の川上麻衣子がそのデザインを手掛けました。

悲しいことに、志村けんが2020年に逝去した際、吉浜駅にも献花台が設けられ、故人へのしのびを深める場となりました。

隣の駅

三陸鉄道リアス線において、吉浜駅の隣には三陸駅と唐丹駅があります。

このような歴史や特別な背景を持つ吉浜駅は、地域に根ざした存在として、今後も多くの人々に利用されることを願っています。

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