吉田和弘

吉田 和弘について

吉田和弘（よしだかずひろ、1958年生まれ）は、日本を代表する医学者で、消化器がんの治療において重要な役割を果たしています。広島で生まれ育った彼は、1984年に広島大学から医学の道に進むことを決意し、腫瘍外科医としてのキャリアをスタートさせました。特に食道がん、胃がん、大腸がん、肝胆膵腫瘍などの消化器がんに関する深い知識と治療技術が評価されています。

医学者としての経歴

最初のキャリアを広島大学原爆放射能医学研究所で積んだ後、吉田は海外の学びを求めてイギリスのオックスフォード大学・ジョンラドクリフ病院に留学します。この経験を通じて、彼は国際的な視野を持ち、英語のスキルを高めることができました。そして、2007年には岐阜大学大学院にて腫瘍制御学講座の腫瘍外科学分野の教授に就任しました。その後、岐阜大学医学部附属病院での医療の現場でも活躍し、先進的な治療法である低侵襲手術や集学的治療を取り入れ、患者一人ひとりに寄り添った治療を実施しています。

家族としての葛藤

吉田の経験の中で、特に印象深いのは自身の母親が末期の胃がんを患ったことです。彼は当時の上司の許可を得て、母の主治医として治療を行ったものの、医師としての立場と家族としての感情との間で大きな葛藤を抱えることになりました。彼は「病室の長椅子で、主治医として、そして家族として過ごす日々」の中で、母親との貴重な時間を大切にしようと努力しました。この体験は彼にとって、医者としてだけでなく、がん患者を持つ家族としての重要な学びにつながりました。

愛犬との生活

吉田は愛犬家としても知られています。彼の家族の一員であるゴールデン・レトリバーのQooは、2000年に家に迎え入れられ、彼の人生に多くの喜びをもたらしました。残念ながらQooは2012年に他界しましたが、彼はその思い出を大切にし続け、2013年には新たなゴールデン・レトリバーのCoCoを迎え入れました。このように、生活の中で家庭や愛犬との絆を重視する姿勢が彼のバランスの取れた人物像を形作っています。

現在の役割と未来

吉田氏は2018年から岐阜大学医学部附属病院の病院長を務め、教育と研究にも注力しています。さらに、2019年には第57回日本癌治療学会の会長としても活躍し、がん治療の発展に貢献しています。また、2022年には国立大学法人東海国立大学機構副機構長に就任し、大学全体の政策に関わる重要な立場でもあります。

吉田和弘は、医療現場の第一線で活動しながら、患者やその家族に寄り添い続け、医療を通じて社会に貢献する姿勢を貫いています。彼の努力と情熱は、今後も多くの人々に影響を与え続けることでしょう。

もう一度検索