吉田寛 (音楽学者)

吉田寛

吉田寛（よしだ ひろし、1973年 - ）は、日本の著名なゲーム研究者、音楽学者であり、現在は東京大学人文社会系研究科美学藝術学教授を務めています。専門は美学（感性学）、表象文化論であり、幅広い分野で学術的な貢献をしています。福島県福島市の出身です。

略歴と業績

1996年に東京大学教養学部表象文化論専攻を卒業後、研究の道を志し、2005年に同大学院人文社会系研究科美学芸術学博士課程を修了。「近代ドイツのナショナル・アイデンティティと音楽 《音楽の国ドイツ》の表象をめぐる思想史的考察」と題した博士論文で文学博士号を取得しました。

博士号取得後は、東京大学に籍を置き、2006年に同研究科助手、2007年に助教として研究・教育活動に従事。2008年には、立命館大学先端総合学術研究科准[[教授]]に就任し、2015年には教授へと昇任しました。2019年からは、東京大学人文社会系研究科美学藝術学准[[教授]]として再び母校へ。そして2024年、同教授に就任し、現在に至ります。

吉田寛の研究は、音楽、ナショナル・アイデンティティ、ゲームといったテーマを横断的に扱い、学際的な視点から文化現象を考察している点が特徴です。特に、ドイツ音楽史におけるナショナル・アイデンティティの形成過程や、ゲームが現代社会に与える影響に関する研究は、国内外から高い評価を受けています。

2015年には、『絶対音楽の美学と分裂する＜ドイツ＞』で第37回サントリー学芸賞を受賞。この受賞は、吉田寛の研究者としての卓越した能力と、学術的な貢献を社会的に認めるものとなりました。

著書

吉田寛は、数多くの著書や論文を発表しており、その研究成果は広く公開されています。主な著書としては、以下のようなものが挙げられます。

『ヴァーグナーの「ドイツ」 超政治とナショナル・アイデンティティのゆくえ』（青弓社, 2009）
『〈音楽の国ドイツ〉の系譜学』全3巻（青弓社）
『<音楽の国ドイツ>の神話とその起源 - ルネサンスから十八世紀』 (2013)
『民謡の発見と<ドイツ>の変貌 十九世紀』 (2014)
『絶対音楽の美学と分裂する<ドイツ> 十九世紀』 (2015) - 第37回サントリー学芸賞受賞
『デジタルゲーム研究』（東京大学出版会, 2023）

翻訳

『アドルノ音楽・メディア論集』（渡辺裕編、村田公一・舩木篤也共訳、平凡社, 2002）

外部リンク

立命館大学

吉田寛は、学術研究に真摯に取り組み、次世代の研究者を育成することにも力を注いでいます。今後の更なる活躍が期待される、注目の研究者の一人です。

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