吉田旺

吉田 旺 - 作詞家の足跡

吉田旺（よしだ おう、1941年2月6日 - ）は、福岡県若松市（現在の北九州市若松区）出身の著名な作詞家です。彼は旧名を吉田央としており、1960年から1968年までフジテレビのドラマ演出家としても知られていますが、ここで取り上げるのは音楽界での彼の方です。

略歴

多摩美術大学を卒業した後、吉田は広告代理店で2年間がんばりましたが、その後はフリーのデザイナーと作詞家を両立させることにしました。彼が音楽の世界に踏み出したのは、月刊「平凡」の楽曲募集に応募したことがきっかけでした。その際、ちあきなおみのデビューシングル『雨に濡れた慕情』の作詞を手がけ、作詞家としてのスタートを切ったのです。

彼の代表作の一つである『喝采』は、第14回日本レコード大賞を受賞し、一躍有名になりました。吉田はちあきなおみの多くの楽曲の作詞を担当し、その後も彼女との親交を保ち続けています。さらに、彼の作詞による『東京砂漠』は、そのヒット次第に「東京砂漠」という言葉自体が一般化し、多くの歌詞に引用されるほどになりました。

その後も吉田の名は多くの楽曲とともに刻まれていきました。彼は2007年に紫綬褒章を受章し、その業績が評判を呼びました。

受賞歴

吉田旺の受賞歴は下記の通りです。

• - 1972年：『喝采』（ちあきなおみ） - 第14回日本レコード大賞・大賞
• - 1973年：『恋文』（由紀さおり） - 第15回日本レコード大賞・最優秀歌唱賞
• - 1980年：『ふたりの夜明け』（五木ひろし） - 第9回FNS歌謡祭・グランプリ
• - 1982年：『立待岬』（森昌子） - 第3回古賀政男記念音楽大賞・大賞
• - 1989年：『紅とんぼ』（ちあきなおみ） - 藤田まさと賞
• - 1991年：『しぐれ川』（山川豊） - 藤田まさと賞
• - 2007年：紫綬褒章 受章
• - 2020年：『なごり歌』（市川由紀乃） - 第53回日本作詩大賞・大賞

主な作詞作品

吉田の手がけた楽曲は非常に多岐にわたります。主な作品には以下のものがあります：

• - ちあきなおみ：『雨に濡れた慕情』『喝采』『紅とんぼ』など
• - 五木ひろし：『ふたりの夜明け』
• - 森昌子：『立待岬』
• - 石川さゆり：『河童』
• - 市川由紀乃：『なごり歌』
• - 内山田洋とクール・ファイブ：『東京砂漠』

他にも多くのアーティストのために作詞を行い、彼の作品は日本の音楽シーンに深い影響を与えています。彼の作詞スタイルや感性は、歌手たちにとっての試練だけでなく、彼らを反映するものともいえるでしょう。

関連作品

吉田の作品は音楽的なだけでなく、アルバムとしてもまとめられています。例えば、『喝采～紅とんぼ・吉田旺 参分劇』や『歌の巨匠シリーズ　吉田旺作品集～喝采～』など、彼の業績を広く紹介するためのコレクションが存在します。

吉田旺は数十年にわたり、作詞家としての地位を確立し続け、多くの楽曲を通じて日本の歌謡界に貢献してきました。彼の名作は今なお聴かれ、多くの人々に愛されているのです。

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