第14回日本レコード大賞

1972年 12月31日、帝国劇場にて第14回日本レコード大賞が開催されました。この年の大賞には、ちあきなおみの楽曲「喝采」が選ばれました。ちあきなおみは初めての受賞であり、彼女の名はこの夜に新たに刻まれました。

大賞候補と受賞の経緯

この年の大賞の有力候補には、小柳ルミ子の「瀬戸の花嫁」がありました。彼女は日本歌謡大賞を受賞し、前評判も高い状態でした。しかし、9月10日にリリースされた「喝采」が急速に評価を高め、2曲の間で熾烈な競争が繰り広げられました。その結果、最終的に「喝采」が大逆転での受賞となり、歌唱賞も獲得しました。歌唱中には、歌詞の一部を間違えるというハプニングもありましたが、彼女のパフォーマンスは印象的でした。これにより、ちあきなおみには副賞として世界一周旅行が贈られました。

最優秀歌唱賞と新人賞

最優秀歌唱賞には和田アキ子の「終わりなき旅」が選ばれました。当初はヒットしていなかったため、選考結果には賛否がありました。しかし、和田はステージ上で沢田研二を呼び寄せ、感動のパフォーマンスを披露しました。歌唱中に感情が高まり、メイクが崩れるほどの熱演で観客を魅了しました。

また、最優秀新人賞は麻丘めぐみに授与されました。この年の新人賞は激戦となり、多くの話題を呼びましたが、彼女はセールス面で他を上回り、見事に受賞しました。候補には西城秀樹や郷ひろみ、森昌子、三善英史などが名を連ねており、ファンの間では注目が集まっていました。

視聴率と放送の変化

この回の放送は視聴率が46.5%に達し、かつてない40%台を突破しました。これはレコード大賞の人気が高まっていることを示しており、まさにレコ大全盛期の幕開けを告げるものでした。この年の10月には、TBSの夜のスポットタイムが5分に拡大され、番組の終了時刻が20:55に早まる変更もありました。

司会者とレポーター

司会は高橋圭三が4度目の登板を果たし、森光子、沢田雅美が進行を務めました。特に高橋圭三は安定した司会ぶりで知られていました。また、レポーターには小川哲哉アナウンサーが務め、多くの著名人が観覧に訪れました。

注目の演奏と演出

多彩なゲスト出演者とともに、長洲忠彦が指揮を執り、森寿男とブルーコーツ、東京ユニオンなどが演奏を担当しました。舞台には多くのコーラスグループやダンサーが登場し、華やかな演出が施されました。また、出演者の中には有名な歌手や著名人が多数名を連ね、彼らの存在がイベントを一層盛り上げました。

この年の日本レコード大賞は、多くの人々に感動を与え、特にちあきなおみの輝かしい受賞は語り草となりました。音楽シーンにおける彼女の影響力を証明する素晴らしい一夜であり、その後の音楽界をも動かす出来事となったのです。

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