吉田正俊

吉田 正俊（よしだ まさとし）: 近代日本の歌人と実業家

吉田正俊は、1902年4月30日に福井県福井市で生まれ、1993年6月23日に他界した、日本の著名な歌人および実業家です。彼は明治から昭和にかけての時代を生き、多方面にわたる業績を残しました。

学歴とキャリア

吉田は旧制福井中学校（現在の福井県立藤島高等学校）を卒業し、その後東京帝国大学法学部に進学しました。大学卒業後、石川島造船所に入社し、そこで自動車部門に従事しました。この会社でのキャリアを経て、いすゞ自動車では専務取締役や相談役を務め、実業家としても名を馳せました。

1974年には、彼の業績が認められ、勲三等瑞宝章を受章しました。これにより、彼のビジネスマンとしての成功と社会貢献が公に評価されました。また、東京都の杉並区天沼に居を構え、主に東京周辺で活動を行っていました。

歌人としての足跡

吉田は1925年に歌誌「アララギ」に参加し、著名な歌人である土屋文明に師事しました。彼はその後、歌の選者や発行人としても活躍し、歌誌「柊」でも選者としての役割を果たしました。特に高度経済成長期には、写実主義のスタイルを貫いて多くの作品を発表し、現代の歌壇に大きな影響を与えました。

歌人としての彼の作品には、1965年に発表した『くさぐさの歌』があり、これは第11回日本歌人クラブ推薦歌集（現在の日本歌人クラブ賞）として評価されました。また、1976年には『流るる雲』によって第27回読売文学賞を受賞、1988年には『朝の霧』で第23回迢空賞を受賞するなど、数々の賞に輝いています。

主な著書

吉田正俊は多くの歌集を出版しています。彼の代表的な著書には以下のようなものがあります：

• - 『天沼 歌集』 （1941年、墨水書房、後に短歌新聞社文庫）
• - 『黄茋集 歌集』 （1952年、白玉書房）
• - 『くさぐさの歌』 （1964年、白玉書房）
• - 『霜ふる土 歌集』 （1970年、白玉書房）
• - 『流るる雲 歌集』 （1975年、白玉書房）
• - 『草の露 吉田正俊歌集』 （1976年、九州点字出版所）
• - 『朝の霧 歌集』 （1987年、石川書房）
• - 『過ぎゆく日々 歌集』 （1994年、吉田ハル編、石川書房）
• - 『吉田正俊全歌集』 （1995年、吉田ハル編、石川書房）

これらの多数の作品を通じて、吉田正俊は日本の近代文学に多大な貢献をし、多くの読者に影響を与えてきました。

参考文献

彼の功績は、「日本近代文学大事典」や福井新聞社の『福井県大百科事典』などで確認することができます。多くの歌人やクリエイターにとって吉田正俊は、影響を与える存在であり続けています。

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