吉里吉里国

吉里吉里国とは

吉里吉里国（きりきりこく）は、作家・井上ひさし氏の小説『吉里吉里人』に登場する架空の国家です。この小説は、東北地方の寒村が突如として独立を宣言し、独自の国家を築き上げていくという奇想天外な物語です。

物語の舞台となる吉里吉里村は、宮城県と岩手県の県境付近に位置するとされ、人口は約4187人。この村が独立を宣言し、日本国とは異なる独自の道を歩み始めます。

独自の国家運営

吉里吉里国は、独自の通貨として「イエン」を発行し、地元の方言を「吉里吉里語」という国語に定めました。さらに、防衛同好会が陸と空から不法侵入者を監視し、木炭バスを改造した「国会議事堂車」が国内を巡回するなど、ユニークな国家運営を行っています。

経済面では、金本位制を採用し、完全な自給自足体制を確立。独立を認めない日本国政府の妨害に対し、住民たちは奇想天外な作戦を繰り出し、次々と難局を乗り越えていきます。

ミニ独立国ブーム

小説の設定に触発され、現実の世界でも吉里吉里国が誕生しました。岩手県上閉伊郡大槌町は、三陸鉄道リアス線吉里吉里駅を擁しており、1982年に町おこしの一環として「吉里吉里国」の独立を宣言しました。

このユニークな試みはマスコミの注目を集め、多くの観光客を呼び込むことに成功。1980年代のミニ独立国ブームの火付け役となりました。しかし、1990年代に入るとブームは沈静化し、景気後退の影響もあって、ミニ独立国としての活動は徐々に下火となりました。

NPO法人 吉里吉里国

2011年3月11日に発生した東日本大震災により、大槌町は甚大な被害を受けました。この震災をきっかけに、2011年12月28日、町づくり、雇用の創出、環境保全を目的として、NPO法人吉里吉里国が再び設立されました。

このNPO法人は、震災からの復興を支援するとともに、地域の活性化を目指し、様々な活動を展開しています。

関連人物

山崎ともみ：岩手県大槌町吉里吉里出身の演歌歌手。「吉里吉里国の歌姫」として活動しています。

外部リンク

公式サイト

吉里吉里国は、小説の世界から飛び出し、現実世界でも様々な形で人々に影響を与え続けているユニークな存在です。

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