上閉伊郡

上閉伊郡の概要

上閉伊郡（かみへいぐん）は、岩手県に所在する郡であり、2024年9月時点の推計で人口は10,073人、面積は200.42平方キロメートルです。この地域は人口密度が50.3人/km²と比較的低く、自然豊かな環境が広がっています。現存する町は、大槌町（おおつちちょう）です。

郡域の変遷

上閉伊郡は1897年4月1日に設立され、当初は遠野市全域や釜石市の大部分を含む広範囲にわたる区域でした。設立当初は、上閉伊郡の郡役所が遠野町に設置され、さまざまな町村が所属していました。具体的には、旧・西閉伊郡からは遠野町をはじめ、多くの村が含まれ、旧・南閉伊郡からは釜石町（現在の釜石市）や大槌町などが存在しました。

この郡は、設立後しばらくの間は郡会が設置されていましたが、大正12年（1923年）に郡会が廃止され、その後も郡役所は存続していました。しかし、大正15年（1926年）には郡役所も廃止され、以降は地域区分名としての役割を果たすことになりました。

20世紀の動き

昭和12年（1937年）には、釜石町が市制を施行し、釜石市となったことで、郡から離れました。その後も地域の変化は続き、昭和29年（1954年）には遠野町、青笹村、綾織村などが合併して新たに遠野市が発足しました。これにより、上閉伊郡には大槌町といくつかの村だけが残ることとなります。

さらに、昭和30年（1955年）には鵜住居村、甲子村、栗橋村が釜石市などと合併し、新たな釜石市が成立しました。同年には、大槌町と金沢村が合併し、改めて大槌町が形成されるなど、郡の構造は変化を続けました。

現在の上閉伊郡

最終的には、平成17年（2005年）に宮守村が遠野市と合併し、郡内には大槌町のみが残る形となりました。このような歴史を経て、上閉伊郡は現在の形になっており、その深い歴史と変遷を持つ地域として知られています。

上閉伊郡の成り立ちやその後の変遷は、岩手県の地域の歴史を理解する上で非常に重要な要素です。

参考文献

「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典』 3 岩手県、角川書店、1985年2月7日。ISBN 4040010302。

関連項目

• - 下閉伊郡

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