吉野駅 (奈良県)

吉野駅の概要

吉野駅（よしのえき）は、奈良県吉野郡吉野町吉野山にある、近畿日本鉄道（近鉄）吉野線の終着駅です。この駅は桜で有名な吉野山や、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」へ向かう際の玄関口となっています。駅の正面には、吉野山の下千本方面に向かう吉野ロープウェイの千本口駅が併設されており、多くの観光客が訪れます。駅番号はF57です。

駅の歴史

吉野駅は1928年（昭和3年）3月25日に吉野鉄道による六田からの延伸により開業されました。1929年には大阪電気軌道に統合され、翌年1941年には関西急行鉄道の駅となりました。その後、1944年に近畿日本鉄道の一部となり、現在まで運行が続けられています。近年では2007年にPiTaPaが導入され、2021年には無人駅となりました。

駅の構造

吉野駅は地平にある櫛形の3面4線のホームを持っています。駅の構造は行楽シーズンに対応できるように4線が整備されており、通常時は2番線と3番線を利用して乗降が行われます。しかし、2016年から運行が始まった「青の交響曲」により、1番線の利用頻度も増えています。ホームの有効長は4両分あり、駅舍は伝統的な社殿風のデザインです。

のりば

• - F 吉野線（橿原神宮前・大阪阿部野橋方面）

駅のホームはすべて島式で、両端の1番線と4番線には降車専用のホームは存在しません。また、3番線は主に乗り降りすべてに使用されることは少なく、通常時は乗車専用です。

駅の設備

吉野駅は下市口駅に管理されている無人駅で、自動改札機は設置されていません。そのため、PiTaPaやICOCAは簡易改札機を通じて利用されています。特に観桜の時期には、混雑のため精算窓口が開設されることがあります。以前は特急券を含む出札窓口が営業していましたが、2021年に完全無人化されて以来、乗車券や特急券は自動券売機のみで購入が可能です。トイレは改札外に設置されており、男女別の水洗式です。

利用状況

吉野駅の1日あたりの乗降人員は年々変化しています。最近のデータに基づくと、2023年11月7日の乗降人員は412人で、2022年11月8日には675人という高い数値が記録されています。これらの数字は、季節やイベントによって変動するため、長期的な傾向を把握する上では慎重さが求められます。

駅周辺の名所

吉野駅の周囲には、吉野ロープウェイの千本口駅があり、また吉野山下千本を通るハイキングコースも利用されています。駅からは、吉野山の中千本や上千本、金峯山寺、吉水神社、さらには後醍醐天皇陵など、多くの名所へアクセス可能です。バス路線も整備されており、吉野町スマイルバスが運行されています。また、観桜シーズンには、特別に臨時バスも運行されるため、訪問者にとってアクセスが便利です。

吉野駅は第4回近畿の駅百選にも選ばれており、地域の重要な交通拠点の一つとして機能しています。特急用の車両が到着する際や発車前には、伝統的なメロディ「さくらさくら」が流れるなど、駅ならではの雰囲気も楽しめます。この駅は、自然や歴史、文化を体験できる特別な場所として、多くの人々に訪れ続けられています。

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