同文舘出版

同文舘出版株式会社

同文舘出版株式会社（どうぶんかんしゅっぱん）は、東京都千代田区に本社を置く出版社で、主に教育や歴史、宗教、経済、商業などの専門書を手がけています。

創業と歴史背景

同文舘の創業は1896年（明治29年）のことです。創業者である森山章之丞により設立され、以来、様々な分野にわたる専門書を刊行してきました。初期には特に八大辞典の出版を通じて、専門出版社としての地位を確立しました。その後、1944年（昭和19年）には企業整備令によって三省堂に統合されるものの、戦後間もなく再独立を果たし、1958年（昭和33年）には現在の社名に改称されました。こうして同文舘は、その独自の出版社としての道を歩み続けています。

大日本百科辞書の出版計画

同文舘出版の社主、森山章之丞は、学問におけるドイツ式の手法を取り入れた大規模な辞書の出版を構想しました。その名も『大日本百科辞書』です。この計画は、多くの専門分野にわたる辞典群の刊行を含んでおり、具体的には以下のような作品が含まれました。

• - 商業大辞書：全6巻（1905 - 1908年）
• - 医学大辞書：全8巻（1906 - 1910年）
• - 法律大辞書：全5巻（1909 - 1911年）
• - 教育大辞書：全6巻（1907 - 1908年）
• - 哲学大辞書：全6巻（1909 - 1911年）
• - 工業大辞書：全8巻（1909 - 1913年）
• - 経済大辞書：全9巻（1910 - 1916年）

しかしながら、この膨大な出版費用は想定以上のものであり、同文舘は1912年に経営破綻に見舞われてしまいます。結果として、辞書の刊行は「大日本百科辞書刊行会」に引き継がれ、その後の展開を見守ることとなりました。

特に『法律大辞書』は注目に値し、全6巻で総ページ数は3600ページにも及びました。この辞書は、東京帝国大学や京都帝国大学などの著名な法学者たち、つまり鳩山秀夫、穂積重遠、美濃部達吉、三浦周行、佐々木惣一などが協力して執筆しました。彼らの contributions により、辞書は非常に高い学術的価値を持つものとなりました。また、行政官や司法官といった実務家の参加もあり、実用性を兼ね備えた作品となったのです。

同文舘出版は、その歴史の中で多くの挑戦を乗り越え、今日に至るまで専門書の出版に貢献し続けています。こうした背景を持つ同社は、日本の出版界において独自の地位を築き上げていると言えるでしょう。

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