名もなき生涯

名もなき生涯 (A Hidden Life)

『名もなき生涯』は、2019年に公開されたアメリカ合衆国とドイツの合作による伝記映画です。巨匠テレンス・マリックが監督を務め、アウグスト・ディール、ヴァレリー・パフナーらが出演しています。また、本作はミカエル・ニクヴィスト、ブルーノ・ガンツにとって遺作となりました。

あらすじ

舞台は第二次世界大戦中のオーストリア。フランツ・イェーガーシュテッターは、美しい山村で妻ファニと3人の娘と静かに暮らす農夫でした。敬虔なカトリック教徒であるフランツは、ナチス・ドイツへの忠誠を拒否し、良心的兵役拒否を貫きます。度重なる召集命令、教会からの圧力、村人からの非難を受けながらも、彼は自身の信念と家族への愛を胸に、苦難の道を選びます。

1939年、フランツのもとに召集令状が届きます。「罪なき人を殺せない」という強い信念を持つ彼は、ヒトラーへの忠誠を拒否。司祭や司教からは説得を受けますが、彼の決意は揺るぎません。村人たちは彼を裏切り者とみなし、一家は孤立を深めます。それでも、妻ファニは夫の意志を支え続けることを決意します。

1943年、フランツは軍部に出頭し、忠誠宣誓を拒否したため収監されます。弁護士からは妥協案を提示されますが、彼は「過ちだと信じていることはできない」と拒否。軍事法廷で死刑判決を受けます。ファニは執行猶予を求めますが、フランツの固い決意を知り、「愛している。正義を貫いてほしい」と彼の信念を尊重します。

同年8月、フランツは処刑されます。村には鐘の音が響き渡り、村人たちは彼の魂のために祈りを捧げます。かつて彼を裏切り者と呼んだ人々も、彼の勇気と信念に敬意を払うのでした。

キャスト

フランツ・イェーガーシュテッター: アウグスト・ディール (宮本充)
フランチスカ・イェーガーシュテッター: ヴァレリー・パフナー (朴璐美)
ヘルダー大尉: マティアス・スーナールツ (森田順平)
ヨゼフ・フライサー司教: ミカエル・ニクヴィスト (菅生隆之)
シュレーゲル少佐: ユルゲン・プロホノフ
ルーベン判事: ブルーノ・ガンツ (小島敏彦)
キール少佐: マルティン・ヴトケ
レジー: マリア・シモン (上田晴美)
ヴァルトラント: フランツ・ロゴフスキ
フェルディナンド・フュルタウアー司祭: トビアス・モレッティ
ローレンツ・シュヴァニンガー: ウルリッヒ・マテス
村長: カール・マルコヴィックス

評価

本作は批評家から高い評価を受けています。Rotten Tomatoesでは、230件のレビューに基づき、81%が高評価で、平均点は10点満点中7.4点です。Metacriticでは、43件のレビューに基づき、100点満点中78点となっています。

受賞

第72回カンヌ国際映画祭: エキュメニカル審査員賞、フランソワ・シャレ賞



『名もなき生涯』は、一人の男の信念と愛を描いた感動的な作品です。テレンス・マリック監督の美しい映像と音楽、そしてキャストの熱演が、観る者の心を揺さぶります。

外部リンク

公式ウェブサイト（英語）
公式ウェブサイト（日本語）
『名もなき生涯』を視聴 | Disney+
名もなき生涯 - allcinema
名もなき生涯 - KINENOTE
A Hidden Life - オールムービー（英語）
A Hidden Life - IMDb（英語）
* Ein verborgenes Leben - filmportal.de（ドイツ語）

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