名取 (甲斐市)

名取（なとり）

山梨県甲斐市の南部、甲府盆地の中央に位置する大字です。かつては中巨摩郡竜王町に属していました。2022年（令和4年）6月現在のデータによると、人口は1,158人、世帯数は577戸です。面積は約0.30平方キロメートルとなります。

地理

名取地域は、甲斐市の南端に位置し、甲府盆地の中心部にあたります。地理的には、北側は甲斐市長塚、大下条、竜王新町、富竹新田といった他の甲斐市内の大字と接しており、南側は甲府市の下河原町や貢川に隣接しています。地域内を東西に横断するように中央自動車道が通過しており、広域交通の要衝としての側面も持っています。

歴史

名取の歴史における大きな節目は、近年の市町村合併にあります。2004年（平成16年）9月1日、名取が所属していた中巨摩郡竜王町は、同じ中巨摩郡の敷島町、および北巨摩郡の双葉町と合併し、新たに甲斐市が誕生しました。これに伴い、それまでの「中巨摩郡竜王町名取」という名称は、「甲斐市名取」へと行政区画が変更されました。

人口と世帯

地域社会の規模を示す統計として、甲斐市が公表している2022年（令和4年）6月現在の住民基本台帳データがあります。これによると、名取に居住する人口は1,158人であり、世帯数は577世帯となっています。この数値は、この地域が一定規模の住宅地として機能していることを示唆しています。

自治会

地域内の住民による自治活動を担う組織として、名取には「名取区」という自治会が設置されています。この自治会は、地域住民の交流促進、環境整備、防災活動など、様々な地域課題への対応を通じて、住みやすい地域づくりに貢献しています。

教育

名取地域の大きな特徴の一つとして、域内に教育機関が存在しない点が挙げられます。小学校、中学校といった学校施設が一切ありません。そのため、名取に居住する学齢期の児童や生徒は、甲斐市が定める学区に従い、名取以外の周辺地域にある指定された学校へ通学することになります。

施設

名取には、住民生活や関連サービスを支えるいくつかの施設が立地しています。代表的なものとしては、地域に根差した郵便サービスを提供する「竜王郵便局」、公的年金に関する手続きを行う「日本年金機構 竜王年金事務所」といった公共性の高い施設があります。また、「アルバトロス 竜王ゴルフ練習場」のようなレジャー施設も見られます。これらの施設は、名取地域だけでなく、周辺エリアの住民にも利用されています。

交通

名取の交通アクセスは、主要な道路網によって支えられています。地域内には広域移動に不可欠なE20中央自動車道が通過しており、最寄りのインターチェンジを利用することで、県内外へのスムーズな移動が可能です。また、近隣には主要幹線道路である国道52号が通っています。この国道は、かつて甲州街道として栄えた道筋の一部であり、「美術館通り」という愛称でも知られています。さらに、地域内の接続を担う県道として山梨県道25号甲斐中央線も整備されています。これらの道路網が連携することで、名取および周辺地域の交通利便性が確保されています。

名取は、甲府盆地中央の地理的利便性、主要な交通インフラの存在、そして地域住民を支える施設や自治活動など、様々な側面を持つ地域です。教育機関の不在といった特徴もありますが、これらの要素が複合的に組み合わさることで、名取ならではの地域性が形成されています。

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