名古屋お金物語

名古屋お金物語：借金から始まるラーメン屋台経営と人間ドラマ

1995年、NHKのドラマ新銀河枠で放送された『名古屋お金物語』は、全20話にわたる感動的な物語です。1997年には続編『名古屋お金物語2』も制作されましたが、ストーリーに直接的な繋がりはなく、独立した作品として楽しめる内容となっています。現在はNHKアーカイブスで視聴可能です。

あらすじ：人生逆転へのラーメン物語

岐阜から名古屋に出てきたOL、森谷智子は、恋人に結婚資金を騙し取られ、多額の借金を抱えることになります。職も住まいも失い、途方に暮れる中、同じラーメン屋台に通うホステス、佐伯みどりに助けを求め、水商売を手伝うことに。しかし、思わぬ出来事が連続します。屋台の老主人が急死し、残された売上金を巡りトラブルに巻き込まれたり、クレジット会社の集金レディに借金の大半を奪われたりと、困難が続きます。

それでも智子は、ラーメン屋台を継ぐことを決意します。経験のない彼女を支えるのは、みどり、そしてラーメンチェーン店『大黒屋』の経営者、矢島です。『大黒屋』の研修を受け、ラーメン職人として成長していく智子。順調に売上を伸ばしていく中、彼女は隣人の少年に「美味しくない」とラーメンを酷評されます。

その少年の父こそ、『大黒屋』の秘伝のラーメンの開発者、小田切史郎でした。かつて『大黒屋』にいたが、チェーン展開に反対し、店を去った過去を持っています。矢島は、小田切への憎しみを智子に打ち明けます。

その後、屋台が焼失するなど、苦難が続きますが、智子は諦めません。ガソリンスタンドでアルバイトをしながら、ラーメン作りの研究に没頭。クレジット会社の集金レディ、楠田も彼女を支援します。しかし、みどりとは、友情に亀裂が入ってしまいます。みどりは『大黒屋』で働き始め、智子のやり方に反発するのです。

屋台村で再開した『春駒亭』は順調でしたが、『大黒屋』の矢島は、智子への執拗ないじめを開始します。デマの流布や、他のテナントへの買収など、卑劣な手段を用います。小田切親子は姿を消し、智子は『春駒亭』を閉めることを決意。故郷に帰りますが、みどりが訪ねてきて友情が修復されます。

再び名古屋に戻り、みどりの援助を受け、三度目の『春駒亭』を開業。しかし、今度は小田切のレシピが盗まれ、『大黒屋』にコピーされてしまいます。矢島は、会社の乗っ取りに遭い、地位を失います。小田切は新たなラーメン修行へと旅立ち、みどりはニューヨークへ。智子は一人になりますが、自分のラーメンへの情熱を胸に、これからも『春駒亭』を続ける決意を固めます。

キャスト

森谷智子：荻野目洋子（ナレーションも担当）
佐伯みどり：水野真紀
小田切史郎：時任三郎
矢島政哉：美木良介
森谷考輔：宍戸錠（智子の父）
楠田涼子：東てる美
小田切貴史：西谷卓統（史郎の息子）
森谷雪子：大嶺美香（智子の妹）
今野三治：枉木卓（ラーメン屋台の主人）
春江：伊藤友乃（考輔の恋人）

スタッフ

脚本：清水有生
音楽：小野文栄
主題歌：「幸福への時間」作詞・作曲：小野文栄、歌：荻野目洋子

作品の魅力

『名古屋お金物語』は、借金からラーメン屋台経営に乗り出し、様々な困難を乗り越えていく主人公の姿を描いた人間ドラマです。友情、愛情、そしてラーメンへの情熱が、複雑に絡み合い、視聴者を惹きつけます。また、1990年代の名古屋の街並みや文化も感じられる作品となっています。NHKアーカイブスで視聴できるので、ぜひ一度ご覧になってください。

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