名古屋ターミナルビル

名古屋ターミナルビルの概要

名古屋ターミナルビル（なごやターミナルビル）は、かつて愛知県名古屋市中村区名駅一丁目に存在した複合施設です。このビルは日本国有鉄道（国鉄）の大型プロジェクトの一環として建設され、幻想的なターミナルの機能を持った施設でした。しかし、現在では建物は解体され、その跡地にはJRゲートタワーが建っています。

歴史

名古屋ターミナルビルは、1972年（昭和47年）4月1日に開業し、交通関連施設のほか、百貨店や専門店街、ホテルなどが併設されていました。当施設の敷地は名古屋駅前広場の一部であり、日本国有鉄道が管理していました。設立当初から、名古屋ターミナルビル株式会社がその運営をおこなっており、高額な資本を地元財界や公共機関から得ていました。

開業以降、同社はJR東海の完全子会社となり、2010年4月1日にジェイアールセントラルビル株式会社に吸収合併されました。これにより、名古屋ターミナルビルは JR東海の完全子会社の傘下に置かれる形となりました。さらに、2008年にJR東海は周辺地域の再開発計画を発表し、名古屋ターミナルビルは最終的に解体される運命にありました。

施設構成

名古屋ターミナルビルは、さまざまな商業施設とサービスを提供していました。1974年には松坂屋名古屋駅店が開店し、地下1階から地上6階の広大なフロアを占めていました。この店は名駅エリアでのみ営業していた松坂屋の唯一の店舗であり、2010年に閉店するまで親しまれていました。

ホテルの存在

また、名古屋ターミナルビル内には「名古屋ターミナルホテル」が1974年に開業しており、190室の客室を提供していました。このホテルは結婚式に特化したチャペルを設置しており、地元の特長を生かしたサービスで人気を集めていましたが、新しいホテルの開業にともない、2010年に営業を終了しました。

地下街「テルミナ」

名古屋ターミナルビルの地下階には「テルミナ」という名称の地下街が広がっていました。1976年には全フロアがオープンし、名古屋駅前の混雑を緩和する狙いで設計された通路を有していました。ここには多くの店舗が入居しており、地域住民のみならず観光客にも喜ばれていました。しかし、2010年にビルが閉鎖され、全テナントが営業を終了しました。

からくり時計とバスターミナル

ターミナルビル近くには1986年に設置された大型からくり時計「テリヨン」があり、観光名所として親しまれていました。また、名古屋市バスや国鉄バスのバスターミナルが設置され、名古屋駅周辺の交通のハブとなっていましたが、2010年のビル解体により、名古屋駅西口に移設されました。

再開発と現在

2017年には約220mの高さを誇るJRゲートタワーが開業しました。この施設はオフィス、商業スペース、ホテルと多機能を備え、名駅エリアのシンボルとなっています。名古屋ターミナルビルの跡地は、地域活性化の重要な鍵を握る存在となっています。

名古屋ターミナルビルの歴史は、名古屋市における交通の歴史とも深く結びついています。その多様な機能は、当時の名古屋の発展に寄与しており、今後の発展に対する期待が寄せられる地域資源の一つとして位置づけられています。

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