名古屋中エフエムラヂオ放送

名古屋中エフエムラヂオ放送株式会社について

名古屋中エフエムラヂオ放送株式会社（以下、「名古屋中エフエム」）は、愛知県名古屋市中区を中心としたエリアで、FM放送を行っていた一般放送事業者です。開局は1998年5月29日であり、周波数は76.5 MHz、コールサインはJOZZ6AJ-FMです。送信出力は20Wで、放送エリアは愛知県名古屋市を中心に、その周辺地域に広がっていました。また、かつてはモバHO!という移動体向け衛星放送サービスでも同様の内容を放送していました。

放送の歴史と内容

名古屋中エフエムは開局から2006年まで「FM DANVO」という愛称で放送を行い、その後は「Transamerica」と名前を変更しました。FM DANVO時代のターゲット層は主に18歳から28歳の女性で、特に女子高校生が出演する番組が数多くありました。放送時間は7:00から翌3:00までですが、2001年ごろには予算の都合から一時的に9:00から20:00に短縮されることもありました。その期間中、名古屋市交通局の市バスには「DANVO」のラッピングが施されたバスも登場しました。

出資者には地元の新聞社やFMラジオ局、百貨店、銀行など一流企業が名を連ね、機材や人材も充実していました。しかし、放送業務が進むにつれてタイムテーブルが発行されなくなるなど、運営に影響を与える状況も見られました。

2005年には、ブラジルの全国ネットラジオ放送「ラジオトランスアメリカ」の日本法人である「Transamerica Japan」が企画した番組の放送を開始し、2006年7月からは全ての内容が在日ブラジル人を対象にしたポルトガル語中心のラテン系の放送へと変更されました。これにより放送の愛称も「Transamerica」に変更され、放送時間は24時間体制に移行しました。

廃局までの経緯

名古屋中エフエムは2009年4月1日に放送を休止し、その後も音声が流れない状態が続きました。これは、世界的な金融危機の影響で在日ブラジル人の雇用が悪化し、スポンサー企業が撤退したことが大きな要因でした。その後、2009年4月7日に放送が完全に停止され、同年の7月17日には株主総会で会社の解散が決定されました。

廃局に向けた手続きが進み、7月22日には正式に廃止届が提出されました。7月31日をもって名古屋中エフエムは正式に廃局となり、11月25日には名古屋地方裁判所から破産手続きの開始が決定されました。その際の負債総額は約200万円に達しました。

名古屋中エフエムの歴史は、地域に根ざしたコミュニティ放送として多くのリスナーに愛されましたが、経済的な理由により幕を閉じることとなりました。

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