名古屋大学大学院理学研究科附属臨海実験所

名古屋大学大学院理学研究科附属臨海実験所について

名古屋大学大学院理学研究科附属臨海実験所、通称「菅島臨海実験所」は、三重県鳥羽市の菅島に位置する、名古屋大学大学院理学研究科の附属研究施設です。この実験所は、海洋生物学を中心とした様々な研究活動の拠点として、国内外の研究者や学生に広く利用されています。

歴史

実験所は、1939年（昭和14年）に名古屋帝国大学医学部の附属施設として設立されました。その後、1942年（昭和17年）に理学部へ移管され、現在の体制となりました。施設の拡充も進められ、1971年（昭和46年）に改築、1996年（平成8年）には増築が行われ、研究環境が整備されてきました。

研究活動

創設以来、海洋科学の研究拠点として、多様な研究プロジェクトが展開されています。特に、ウニやホヤなどの海洋生物を用いた研究が盛んで、受精のメカニズムや、雌雄同体のホヤが自己受精を避けるためのアロ認識機構（同種異個体細胞の認識機構）の研究が行われています。また、ヘビ毒が引き起こす出血機構や、血管内皮細胞のアポトーシス誘導機構など、医学分野にも関連する研究も進められています。

これらの研究は、生物学の基礎的な理解を深めるだけでなく、医学や環境問題への応用も期待されています。実験所では、これらの研究を促進するため、最新の研究設備と、充実した海洋生物の飼育環境が提供されています。

教育活動と共同利用

実験所は、研究活動だけでなく、教育活動にも力を入れています。小中学生・高校生を対象とした臨海実習も積極的に受け入れており、次世代の科学者を育成する役割も担っています。また、他大学や研究機関の研究者にも施設を広く開放し、共同研究を推進しています。これにより、多角的な視点からの研究が促進され、海洋生物学の発展に貢献しています。

施設

実験所には、研究活動に必要な以下の施設が完備されています。

実験棟: RI実験室、低温室、恒温室、P-2実験室、海産動物飼育室など、高度な実験に対応した設備が整っています。
実習棟: 研究室、セミナー室など、研究者や学生が快適に過ごせる環境が提供されています。
宿泊棟: 実習や研究合宿での利用を想定した宿泊施設も完備されています。
屋外流水水槽: 海洋生物の研究に必要な水槽が設置されています。

所在地とアクセス

実験所は、以下の場所に位置しています。

所在地: 〒517-0004 三重県鳥羽市菅島町429-63

実験所へのアクセスは、近鉄中之郷駅前の桟橋から、実験所保有の船舶で約10分です。

外部リンク

詳細な情報については、以下のリンクをご覧ください。

名古屋大学大学院理学研究科附属菅島臨海実験所
* 新学術領域研究　動植物に共通するアロ認証機構の解明

この実験所は、海洋生物学の研究における重要な拠点であり、多くの研究者や学生にとって貴重な学びの場となっています。

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